玄米酵素

あなたの食物繊維、足りていますか?
2019年11月16日

あなたの食物繊維、足りていますか?

「食物繊維」と聞くと“お腹に良い”というイメージをお持ちの方が多いかと思いますが、それだけではありません。食後の血糖値上昇を抑える、高血圧の予防、コレステロールの排出など、健康のために大切な様々な働きをしてくれます。

しかし、食物繊維は普段の食事から必要量を取ることが意外と難しく、多くの方が不足気味。

今回は食物繊維の働きや効率的な取り方についてご紹介します。



食物繊維とは?


食物繊維は「ヒトの消化酵素で分解されない食物中の総体」と定義されています。

体内には吸収されませんが、「第六の栄養素」ともいわれ、腸内環境の改善、生活習慣の予防など、身体への様々な効果が期待されています。





食物繊維の種類と働き


食物繊維には、水に溶ける「水溶性」水に溶けにくい「不溶性」の2種類があり、それぞれに違った特性があります。


水溶性食物繊維


-特徴-
水に溶けるとヌルヌルした粘性をもつ。

-主な働き-
  • 小腸での栄養素の吸収を穏やかにし、食後の血糖値上昇を抑える
  • コレステロールを吸着し体外に排出し、コレステロール値の上昇を防止
  • ナトリウム排泄効果で、高血圧を予防

-多く含む食品-

昆布やわかめなどの海藻類、野菜類、りんごなど多くの果物 など


不溶性食物繊維


-特徴-
水分を吸収して膨張し、腸壁を刺激する。

-主な働き-
  • 便の量を増やし、大腸を刺激して排便をスムーズに(便秘の改善、予防)
  • 有害物質の排出
  • 食事の満足度が向上、早食いや食べ過ぎの防止

-多く含む食品-
玄米などの未精白穀類、繊維の多い野菜、豆類、きのこ類、こんにゃく など


また、どちらの食物繊維も腸内細菌により発酵・分解されて善玉菌のエサになったり、短鎖脂肪酸に変化してさまざまな生理作用をもたらしたりと、次々と健康機能が明らかにされています。



穀類からの食物繊維摂取量が減少


日本人の食物繊維摂取量は、1955年に比べ2017年には約2/3にまで減っています。



内訳を見ると、近年特に穀類からの割合が減っていることが分かります。その理由として食生活の欧米化で肉や乳製品の摂取が増え、米の摂取量が減ったことが考えられます。



1日の摂取目標、理想は24g以上




生活習慣病の発症予防の観点から考えると、成人では食物繊維を1日24g以上(できれば1,000kcalあたり14g)摂取するのが理想とされています。

しかし日本人の実際の摂取量は、1日平均15gしか取れていません。

そのため、理想的な値と実際の摂取量の中間的な値をとって、1日あたりの食物繊維の目標量は男性21g以上、女性18g以上が設定されています。(*)

理想までは届かなくても、せめて「1日プラス5g」食物繊維を取るように心掛けたいところです。

*日本人の食事摂取基準2020年版(八訂)[厚生労働省] より、18〜64歳の平均値



食物繊維の上手な取り方




食物繊維は種類によって働きが異なるため、不溶性・水溶性のどちらか一方を摂取するのではなく、さまざまな食品を組み合わせてバランスよく取ることが大切です。

野菜は生のままではかさが多く、量を取ることができないので、煮物やお浸しなど、火を通した方がかさが減ってたっぷり食べられます。豆類、海藻、乾物、いも類などにも豊富なので、これらを使った「昔ながらのお惣菜」を食卓に並べましょう。

また、玄米などの未精白穀類には食物繊維が多く含まれているので、主食として食事にとり入れるとよいでしょう。

米を主食に野菜や海藻などがしっかり取れる「和食」がオススメです。

食べ過ぎを防止したい方は、食事の最初に食物繊維の多い食品を水分と一緒にとると、食物繊維がお腹で膨らむため空腹感を減らすことができます。




□食物繊維の多い食生活をする際の注意点□

食物繊維の多い食生活を実行すると、ガスが出たり、お腹が張ったりすることがあります。食物繊維が腸内細菌により分解されると、二酸化炭素やメタンガスなどのガスが発生します。継続していくと腸内環境が安定してきてガスは減ってきますが、ひどい場合は、しばらく食物繊維の摂取量を少なくして様子をみるのも方法です。

不溶性食物繊維は、「水分が不足すると便を固くする」ことが知られています。不溶性食物繊維の多い食生活をする方は、今までより多めに水を飲むようにしましょう。

水の飲み方のポイントは2つ。
  1. タイミングは朝起きてすぐ、食事の30分〜1時間前など空腹時。
  2. 温度は、冷たい水よりも、人肌くらいがお勧めです。
また海藻、りんごなどの水溶性食物繊維も取り入れ、不溶性と水溶性をバランスよく取りましょう。


さらに、控えたい食品は以下の通りです。
  • 紅茶や緑茶など、タンニンの多いもの
  • 白砂糖やそれを多く含む食品、果糖の多い果物

生活習慣のポイントとしては、規則正しい食生活を心がけましょう。おなかのマッサージや適度な運動もお勧めです。(入浴中にもむのも効果があります。)

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食物繊維を効率よく取って、健康な毎日を目指しましょう。


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