寒さや乾燥など、体調を崩しやすい季節に気になるのが免疫力。
しかし、風邪を引いた後で「免疫力が下がっていたのかも」と気付くことが多いですよね。
できれば、風邪などの辛い症状が現れる前に、免疫力が下がっていることに気付いて未然に防ぎたいものです。
そこで今回は、免疫力に大きく関わる「体温」に注目してみました。
体温と白血球数をチェックしよう
免疫力を推し量るうえでわかりやすい指標の1つが
体温です。
私たちの生命活動に欠かせない酵素が働きやすいのは、体の深部体温が37.2℃、脇の下や舌下で約36℃の時です。
もし体温が
脇の下で36.1℃以下、舌下で36.4℃以下であれば、免疫力が低下しているかもしれません。(*食事や運動、入浴の直後に測るのは避けましょう)
また、免疫の要である
白血球の数も免疫力を示す大事な指標です。
血液検査で
白血球数が4000/μL以下、リンパ球比率が30%以下、もしくは50%以上の場合は、免疫のバランスが崩れている可能性があります。
理想は体温が36℃台、リンパ球比率が30〜50%の間の範囲です。
体温が下がるとエネルギー不足になる?
最近は、
体温が36℃以下の「低体温」の方が増えています。
体温が低いと酵素が十分に働けず、体内の生命活動が低下してしまいます。
また、酸素をつかって効率的にエネルギーを作り出してくれる、細胞中の「ミトコンドリア」という組織がうまく働きません。
その結果、
慢性的なエネルギー不足状態に陥って、体内の代謝力や免疫力も低下してしまい、病気にかかりやすくなります。
さらに、ミトコンドリア系のエネルギー産生が十分に働かないため、それを補うように、酸素を使わずにエネルギーを作り出す解糖系(糖を原料にしたエネルギー産生)が活発になります。
解糖系は効率が悪いため、エネルギー不足を補うことができず、体に無理が生じてしまいます。
過度のストレスや怠けすぎも原因に
低体温の大きな原因のひとつが、
ストレスの多い生活です。
睡眠不足や疲労の蓄積があったり、不安や悩みなどの精神的ストレスが過剰になったりすると、自律神経のバランスが崩れて体温が下がってしまいます。
一方で、リラックスしすぎる生活でも、自律神経のバランスが崩れて体温が下がります。
ストレスをため込まず、しかも積極的に活動することが大切です。
<ストレス対策のヒント>
●休日に生活リズムを整える
疲れた体をゆっくりと休め、リセットする気持ちで食事や生活リズムを整えてみましょう。
●ルールに縛られない
必死にルールを守ろうとするとストレスになります。時にはゆるく考えることも大切です。
●趣味や気分転換を振り替える
ストレス解消のためと無理して続けていないでしょうか。心から楽しめるものを見つけましょう。
●周りの音や空気、香りを意識する
街路樹や花壇を眺める、大きく息を吸うなど、五感を働かせることでストレスから解放されやすくなります。
●笑顔をつくる・声を出して笑う
口角を上げることで脳は笑っていると錯覚し、リンパ球が増えて免疫力が高まります。
免疫力を保つための食事や生活習慣の工夫
今回は体温に注目してみましたが、
食事や運動、睡眠、ストレスなども免疫力に影響を与えます。
毎日の食生活で体温を上げたり、免疫力をサポートしたりすることが重要です。
例えば、主食を
玄米にするのはおすすめです。
ビタミンやミネラルが不足しても酵素がスムーズに働かず、エネルギーの産生や代謝の低下に繋がりますが、玄米には主な補酵素であるビタミンB群やミネラルがバランスよく含まれるほか、自律神経を整えるγ-オリザノールや、ストレスや緊張を和らげたり睡眠の質を高めたりするγ-アミノ酪酸(ギャバ)、免疫力を整えるアラビノキシランや食物繊維なども含まれます。
さらに、
ラジオ体操などで全身の血流を促す、午前0時前には寝る、週に一度はノー残業デーを設けるなど、無理なく実践できる健康習慣を取り入れてみましょう。
***
免疫力は、生まれながらに誰もがもっている力です。
本来の免疫力を十分に発揮するためにも、まずはセルフチェックで低下していないかどうか気付いてあげましょう。
【参考文献】
安保徹『今すぐできる! 免疫力を上げる31のルール』(学研プラス)
【関連記事】
胃腸の冷えは危険信号!?体の機能に影響する体温の重要性
「冷え症」と「低体温症」の違いとは?冷えに負けない食事&生活習慣
寒さ・めぐりが気になる方の食事法
気持ちを立て直したい時に食べたい食材と、自律神経のバランスを保つコツ
約15時間前後のセッションでうつ・不安・恐怖・身体の不調を解決するSAT療法カウンセリングとは