疲れたとき、「甘いものが食べたい」と感じたことはありませんか?
その理由のひとつに、脳がエネルギーを必要としていることが考えられます。
脳は考えたり、記憶したり、身体を動かしたりと、私たちが毎日を過ごすために欠かせない働きを担っています。
体重の約2%ほどの重さしかありませんが、身体全体で使われるエネルギーの約20%を消費するといわれています。
そのため、脳の健康を保つためには、エネルギー源となる糖質だけでなく、さまざまな栄養素をバランスよくとることが大切です。
脳のエネルギー源「ブドウ糖」
脳の主なエネルギー源は「ブドウ糖」です。
ブドウ糖が不足すると、身体はたんぱく質や脂肪を利用してエネルギーを補おうとします。
これは身体にもともと備わっている仕組みですが、この状態が長く続くと筋肉などのたんぱく質が利用されることもあります。
そのため、
極端な糖質制限は避け、ごはんやいも類などから適量の糖質をとることを心掛けましょう。
特に玄米や雑穀などの全粒穀物は、食物繊維やビタミン、ミネラルも一緒にとれるためおすすめです。
※糖質のとり過ぎは体重増加や血糖値の急上昇につながることがあります。
※糖尿病などで食事療法を行っている方は、医師の指示に従ってください。
脳の健康を支える栄養素
私たちが物事を理解したり、記憶したり、考えたり、身体を動かしたりできるのは、脳内で神経細胞同士が絶えず情報をやり取りしているからです。
その働きを支えるためには、さまざまな栄養素が必要です。
●ブドウ糖
ごはんや玄米などの穀類、いも類などに含まれる炭水化物は、消化・吸収されてブドウ糖となり、脳の主なエネルギー源になります。
毎食、適量をとることが大切です。
●DHA
青魚に多く含まれるほか、
亜麻仁油やエゴマ油に含まれるα-リノレン酸の一部は体内でDHAに変換されます。
DHAは脳の神経細胞の材料となり、情報のやり取りを支える大切な脂肪酸です。
●カルシウム・マグネシウム
小魚や緑黄色野菜、海藻などに多く含まれています。
神経細胞の働きを助け、情報をスムーズに伝えるために役立ちます。
●ビタミンB群
玄米、大豆、うなぎなどに多く含まれます。
糖質をエネルギーに変えるために欠かせない栄養素です。
●レシチン
大豆や卵黄などに含まれています。
神経伝達物質の材料となり、脳の働きを支えます。
●たんぱく質
大豆や大豆製品、魚、肉、卵などに含まれます。
たんぱく質を構成するアミノ酸は、神経伝達物質をつくる材料になります。
●抗酸化成分
緑黄色野菜や果物、玄米などには、ビタミンやフィトケミカルなどの抗酸化成分が含まれています。
脳は多くの酸素を使うため、酸化ストレスの影響を受けやすいといわれています。
色とりどりの野菜や果物を取り入れ、さまざまな抗酸化成分を積極的にとりましょう。
今日からできる脳の健康習慣
🍚ごはんを中心とした和食を意識する
脳に必要な栄養素はひとつではありません。
主食・主菜・副菜・汁物をそろえた和食は、さまざまな栄養素をバランスよくとりやすい食事です。
一方で塩分が多くなりやすい面もあるため、だしや香味野菜などを活用して減塩も意識しましょう。
🚶身体を動かす
適度な運動は脳の血流を保つことにも役立つといわれています。
ウォーキングやストレッチなど、続けやすい運動を取り入れてみましょう。
😊笑顔で過ごす時間を大切に
笑うことで脳の血流がよくなるといわれています。
口角を上げて笑顔を作るだけでも楽しい気分になるという報告もあります。
家族や友人との会話や趣味など、気分転換の時間を大切にしましょう。
🛌質のよい睡眠を心掛ける
睡眠は脳を休ませる大切な時間です。
夜更かしを控え、生活リズムを整えて、十分な睡眠をとるようにしましょう。
***
脳の健康を支えるためには、毎日の食事だけでなく、適度な運動や十分な睡眠など、生活習慣全体を整えることも大切です。
特別なことを始める必要はありません。
まずはごはんをしっかり食べること、野菜を一品増やすこと、よく眠ることなど、できることから少しずつ続けてみませんか。
【参考文献】
『
フードリテラシーを高めよう!』(大修館書店)
日本人の食事摂取基準(2025年版)たんぱく質(厚生労働省)
あたまとからだを元気にするMCIハンドブック(厚生労働省)
『
よく笑う人はなぜ健康なのか』(日本経済新聞出版社)
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