多くの人が抱えている悩みの1つ「便秘」。
毎日バナナ状の便が出てスッキリ感があるのが理想ですが、「なんとなくスッキリしない…」と感じている方も多いのではないでしょうか。
便秘は、不規則な食生活や運動不足など、日々の習慣が影響していることが多く、ちょっとした意識の積み重ねで変わっていく可能性があります。
私は便秘?判断するポイントとは
理想の排便は、毎日「スルッ」と出ること。
ただ、自分が便秘かどうかは、意外と判断が難しいもの。
気づかないうちに、便秘に当てはまっている場合もあります。
毎日排便があっても、
排便に苦痛や困難を伴う場合は便秘といえます。
一方で、2〜3日排便がなくても、
無理なく出ていれば便秘とは限りません。
医学的には、「
便を十分量かつ快適に排出できない状態、が6ヶ月以上前からあり、直近3ヵ月間続いていること」を慢性便秘症といいます。
排便の回数や量が少なくてお腹の中に便が滞る場合や、回数は問題ないものの、排便が快適にできず残便感がある場合など、タイプも人それぞれです。
また、便秘になると腹痛や吐き気、吹き出物などの肌トラブルが起きることがあります。
さらに長期間続くと、食欲不振や頭痛、嘔吐、イライラ感などが現れることもあります。
まずは、自分のタイプを知り、改善できそうなポイントを探ってみましょう。
あなたの便秘はどのタイプ?
便秘には、
-
大腸や直腸などの機能が低下する「機能性便秘」
-
薬が原因の「薬剤性便秘」
-
病気が原因で起こる「器質性便秘」や「症候性便秘」
があります。
便秘の多くは「機能性便秘」で、症状や原因も異なります。
👇まずは簡単チェック
以下の項目で、当てはまるものが多いタイプを確認してみましょう。
【弛緩性タイプ】
-
□ 便がコロコロしている
-
□ 便の量が少ない
-
□ ダイエット中
-
□ 運動不足を感じる
【直腸性タイプ】
-
□ 便意を我慢することが多い
-
□ トイレに行っても出にくい
-
□ 朝食をとらないことが多い
-
□ 残便感がある
【けいれん性タイプ】
-
□ 便が硬い→やわらかいと変化する
-
□ 下痢と便秘が交互にくる
-
□ 下腹部が張って痛い
-
□ ストレスを感じやすい
※複数当てはまる場合は、生活習慣が複合的に影響している可能性があります。
👇当てはまるタイプの特徴をチェックしてみましょう。
🔵
弛緩性便秘
大腸の動きが十分でないために起こる便秘
高齢者や出産後の女性に見られる
-
[症状]コロコロとした便
-
[原因]水分不足、食物繊維不足、腹筋力の低下、激しいダイエットなど
🔵
直腸性便秘
直腸に便がとどまっているために起こる便秘
-
[症状]かたくて太い便。または、いきんでも出ない
-
[原因]トイレを我慢する、朝食を食べない、ストレス、運動不足
🔵
けいれん性便秘
大腸が過度に緊張することで起こる便秘
-
[症状]出はじめは硬く、終わりにはゆるいことが多い
-
[原因]ストレス、環境の変化などによる自律神経の乱れ
-
過敏性腸症候群(※)の「便秘型」タイプも、これにあたります
※過敏性腸症候群とは、過労やストレス、自律神経失調などが原因で、腸の内臓神経が過敏になり、便通異常を起こす病気のこと。
下痢が多い「下痢型」、便秘が多い「便秘型」、下痢と便秘を交互に繰り返す「混合型」があります。
あなたのタイプに合った便秘改善の食事法
ダイエットなどで食事量が減ったり、不規則な食生活や欠食が続くと、便の材料が不足し、便秘が起こりやすくなります。
食生活の見直しは、腸内環境を整える第一歩です。
便秘のタイプに合わせて、無理のない範囲で取り入れていきましょう。
「弛緩性便秘」・「直腸性便秘」の場合
腸の動きや排便力が弱くなっているため、
「便の量を増やす」「出やすくする」ことがポイントです。
🟩
食物繊維をとる
不溶性食物繊維は、腸を刺激して働きをよくし、便のカサを増やします。
(玄米、野菜、きのこ類、豆類、いも類 など)
水溶性食物繊維は、主に腸内細菌のエサになり善玉菌を増やすのに役立ちます。
(海藻、オクラ、りんご など)
→
1日20gを目安に、バランスよくとりましょう。
🟩
ビフィズス菌・乳酸菌をとる
ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌は、腸内環境を整える働きがあります。
また、腸内細菌は食物繊維やオリゴ糖を分解(発酵)し、短鎖脂肪酸(酪酸など)を生み出します。
これらは腸の動きをサポートし、大腸の細胞のエネルギー源としても利用されます。
(みそ、ぬか漬け、甘酒、納豆、キムチ など)
→ 善玉菌は定着しにくいため、毎日継続してとることが大切です。
🟩
水分を適宜とる
適量の水分は腸の働きを助け、腸内環境を整えます。
→
1日1.2リットルを目安に、こまめにとりましょう。
🟩
動物性たんぱく質や脂質を控える
肉類や魚介類、卵、乳製品など動物性食品が多い食事に偏ると、有害な物質を生成する悪玉菌が増えやすくなります。
「けいれん性便秘」の場合
腸が敏感になっている状態のため、
「刺激を減らして整える」ことがポイントです。
🟧
不溶性食物繊維をとりすぎない腸に負担をかけてしまう場合があります。
→ 水溶性食物繊維を中心に、無理のない範囲でとりましょう。
🟧
刺激物を避ける
唐辛子、アルコール、熱すぎる・冷たすぎる食品、炭酸飲料 などは控えめに。
🟧
ガスが出やすい食品に注意
いも類、豆類、キャベツなどは、とりすぎるとお腹の張りにつながることがあります。
排便リズムをつくる生活習慣
便秘の解消には、不規則な生活を改善して、睡眠、運動などの
生活リズムを整えることも大切です。
🚽
トイレに行く習慣をつける
一般には、1日の生活リズムの中で規則的に便意が起こりますが、不規則な生活を送っていたり、便意があるのにトイレに行かないで我慢してしまうクセがあったりすると、便意を感じる感覚や便を排出する力が低下し、便秘の原因になります。
規則的な排便リズムを取り戻すためには、
毎日決まった時間にトイレに行くのを習慣化することです。
☕
朝はゆとりを持って過ごす
腸は起床とともに活動を始めるので、朝は便意が起こりやすい時間。
起きてすぐの水や朝食は、腸が動き出すきっかけになります。
我慢するとそのうちに便意が起こりにくくなるので、便意を感じたらすぐトイレに行きましょう。
そのために、朝は少しだけ早起きをして、時間的なゆとりを持つことも大切です。
🏃
お腹周りの筋肉を鍛える
便を肛門から排泄する最終段階では、腹筋や腸腰筋の力が重要です。
これらの筋力を維持するために運動を習慣づけましょう。
1日10分でも多く歩くことを心がけ、無理のない範囲で、日常的に体を動かす習慣をつけましょう。
💊
市販薬はつらい時だけに
便秘の治療は、食事と生活習慣の改善が中心です。
市販薬は、何日も排便がなくつらい時だけにしましょう。
特に作用が強めのタイプは依存性が高く、自力で排便する力が弱くなる可能性があります。
選ぶ時は薬剤師によく相談し、最初に使い始めるときは作用が穏やかな薬にしましょう。
⚠️症状が長く続く場合や、強い腹痛・出血などがある場合は、医療機関に相談することも大切です。
***
便秘は少しでも早く解消してスッキリしたいですよね。
・朝起きたらコップ1杯の水を飲む
・食事に食物繊維を1品プラスする
・便意を感じたら我慢しない
など、できることから少しずつ取り入れてみましょう。
毎日の積み重ねが、腸内環境を整える第一歩になります。
【参考文献】
『
新しい栄養学と食のきほん事典』(西東社)
『
一生役立つ きちんとわかる栄養学』(西東社)
『
栄養の基本がわかる図解事典』(成美堂出版)
『
いちばんわかりやすい栄養学の基本講座』(成美堂出版)
『
「いつまでもキレイ」と言われる人がやっている 美人をつくる食事』(徳間書店)
便通異常症診療ガイドライン2023(日本消化管学会)
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