玄米酵素

腸で生まれるすごい成分?! 腸内の好循環をつくろう
2025年12月13日

腸で生まれるすごい成分?! 腸内の好循環をつくろう


「腸活を続けているのに、なんだか変化を感じにくい…」
そんなお悩みはありませんか?

腸活とは、腸内環境を整えて腸が働きやすい状態をつくること。
言い換えると、腸内細菌が力を発揮できる環境づくりです。

私たちの体は、想像よりも腸内細菌の影響を強く受けています。

「体質だから仕方ない」と思い込んでいたことも、腸内細菌が働きやすい環境づくりを意識することで、少しずつ変化があらわれることがあります。



腸がつくるご褒美成分「短鎖脂肪酸」



短鎖脂肪酸は有機酸の一種で、腸内細菌の働きによって生み出される代謝産物です。

ヒトの消化酵素では分解することができない食物繊維やオリゴ糖を、腸内細菌が分解することでつくられます
代表的な短鎖脂肪酸は、
  • 酢酸
  • プロピオン酸
  • 酪酸
の3つ。

名前は聞いたことがあっても、具体的に何が良いのかはイメージしづらいですよね。

それでは、短鎖脂肪酸の働きをみていきましょう。




短鎖脂肪酸にはどんな働きがある?



短鎖脂肪酸は腸内で働くほか、一部が腸から吸収され、全身でよい働きをすることが分かってきました。


●腸内での働き
  • 悪玉菌の成長を抑え、善玉菌を育てて腸内環境を整える
  • 腸のエネルギーになって蠕動運動を促す
  • 腸管のバリア機能を強化し、異物が入り込むの防ぐ


●全身での働き
  • 免疫機能をサポートする
  • 炎症を抑制する物質をつくり、生活習慣病などの予防と改善をする
  • 太りにくい体質をつくる(脂肪細胞に働きかけて肥満を予防)
  • 血糖値のコントロール(インスリンの分泌を調整)
  • 肝臓の働きを促す




菌のリレーをスムーズにするのがポイント



腸内では、菌たちがリレーのようにして食物繊維の形を変えながら、最終的に短鎖脂肪酸を生み出しています。

スムーズにリレーが行われるためのポイントをご紹介します。


●腸をキレイに保つ
善玉菌を増やすためにも、まずは腸の環境を整えておくことが大切です。
  • 食物繊維(不溶性・水溶性)をとる
  • 発酵食品をとる


●短鎖脂肪酸の材料をつくる菌をとる&育てる
リレーの一番手である「糖化菌」が食物繊維などを分解して糖をつくります。
また、食物繊維は、糖を分解する腸内の常在菌を増やすために欠かせません。
  • 納豆、玄米、豆類、海藻、里芋 など
※食品の菌は腸に長く定着しないため、毎日続けることが大切です。


●菌のエサになるプレバイオティクスをとる
リレーの二番手、乳酸菌やビフィズス菌が、糖をエサにして乳酸や酢酸をつくります。
そして、それらを元に別の菌がプロピオン酸や酪酸をつくります。
  • 水溶性食物繊維
    りんご、こんぶ、わかめ、ごぼう、菊芋、もち麦 など
  • 難消化性オリゴ糖(フラクトオリゴ糖)
    タマネギ、ねぎ、にんにく、ゴボウ、大豆、バナナ など
  • 難消化性でんぷん(レジスタントスターチ)
    豆類、玄米、押し麦、冷やご飯、ポテトサラダ など


●ビタミンB1で菌のリレーをサポート
食物繊維やオリゴ糖が糖に分解され、その糖を利用する際に欠かせないのがビタミンB1。
  • 玄米、豆腐、納豆、ナッツ類 など
これらを意識してとり、菌の働きをサポートしましょう。



⚠️注意点
食物繊維も発酵食品もとり過ぎはよくありません。
とり過ぎると、お腹が張る、ゲップやおならが出る、下痢をするなど、胃腸の負担になることがあります。偏った食事はせず、バランスを大切にしましょう。



***


腸内には様々な菌がいて、それらの菌がそれぞれに活動することでバランスがとられています。

「この食事は腸内細菌が喜ぶかな?」
そんな視点を少し加えるだけで、毎日の食事が変わっていきます。

ぜひ、体の変化も楽しんでみてくださいね。







【参考文献】
國澤 純『9000人を調べて分かった腸のすごい世界』(日経BP)





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