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食べすぎ・食欲不振・摂食障害…食欲との上手な付き合い方
2025年11月14日

食べすぎ・食欲不振・摂食障害…食欲との上手な付き合い方


「食欲が止まらない」
「なんだか食欲がない」

そんな食に関するお悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

実は、私たちの食欲は脳と体が連携してコントロールしており、満腹なのに食べてしまう原因や、逆に食べられないときの理由も、理解することで少しずつ整えることができます。

今回は、食べ過ぎや食欲不振への対処法、さらには摂食障害のリスクまで、やさしくご紹介します🍀



「食べたい!」はどう生まれる?



食欲は、脳の視床下部にある摂食(空腹)中枢と満腹中枢がバランスを取りながらコントロールしています。

大きく分けると、血糖やホルモンなどの生理的要因と、味や香り、食体験の記憶などの感覚的要因があります。


<生理的要因>

💉血糖の変動
血糖が下がると空腹感がわき、血糖が上がると満腹感が生まれます

🧪ホルモンの関与
レプチン:脂肪細胞から分泌され、食事量を抑えエネルギー消費を増やす
グレリン:空腹感を引き起こす

⚡自律神経の関与
胃に食べ物が入る → 副交感神経が反応 → 満腹感
胃が空になる → 交感神経が反応 → 空腹感


<感覚的要因>

👀五感の影響:味・香り・見た目・食感・音・食事の雰囲気

これらの情報は脳に送られ、食体験の記憶や知識などと統合され、美味しい・まずいなどの判断がなされます。

😋「美味しい」
→摂食(空腹)中枢に伝わり食欲がわく

😖「まずい」
→満腹中枢に伝わるので食欲は起こりません



🍰“別腹”ってどういうこと?

よく「別腹」と言いますが、これは美味しかった記憶が食欲を促す物質を増やし、摂食(空腹)中枢を刺激するため。

さらに、胃の筋肉も緩み動きが活発になるので、まるで別の胃があるかのようにペロリと食べてしまうのです。




なぜ食べすぎてしまう?心と体のサイン



満腹なのにお菓子をつい…そんな経験はありませんか?
なぜ、つい食べ過ぎてしまうのでしょうか?


- 主な原因 -

早食い
脳は満腹を感じるまで時間がかかるため、早食いだと食べ過ぎてしまいます。

ストレス
食欲を抑制しますが、増進させることもあります。

睡眠不足
数日間続いただけでも、食欲を抑制するホルモン(レプチン)の分泌が減少、逆に食欲が増進するホルモン(グレリン)の分泌が増えることが分かっています。


- 対策 -

よく噛んで、ゆっくり食べる
主食を玄米にしたり、噛みごたえのある料理にしたりするのがおすすめです。

「ながら食べ」を避け、食事に集中する
スマホ、テレビなどを見ながらの食事を止める、家族や友人と一緒に食べるなど、ゆっくりと食事を楽しみましょう。

十分な睡眠とストレスケア
少しぐらい大丈夫などと寝不足を甘く考えず、日頃から十分な睡眠を心掛けましょう。




「なんだか食べたくない…」原因と対策



食欲不振とは、空腹を感じなかったり、食べたいのにあまり食べられないなどの状態です。

体重減少、低血圧、倦怠感、免疫力低下、栄養失調などの症状が出ることもあります。


- 主な原因 -

胃腸や体の不調、心理的な病気(うつ病、摂食障害など)
食欲不振が2週間以上続く場合は医療機関を受診しましょう。

ストレス・運動不足・睡眠不足・過労など生活習慣の乱れ
自律神経の乱れにより、胃腸の働きが悪くなるのが主な原因です。

栄養バランスの偏り(炭水化物過多、ビタミンB1や亜鉛不足)
炭水化物に偏った食事やビタミンB1不足は、エネルギー不足を招いて身体機能が低下します。
また、亜鉛不足になると味覚が低下して食欲不振が起こることがあります。


- 対策 -

エネルギー源となる食品をバランスよくとる(米・芋類・たんぱく質など)

食欲を刺激する食品(香辛料、酸味、香味野菜)を取り入れる

ビタミンB1や亜鉛を含む食品を適度にとる(玄米・大豆・魚介類・納豆など)

※亜鉛の過剰摂取は鉄や銅の吸収阻害を招くことがあるため、サプリメントでの摂取には注意が必要です。




強すぎる"やせ願望"が招く摂食障害



多くの若い女性は「やせているほうがいい」と思い、無理なダイエットや偏った食生活をしがちです。

こうした無理な食事制限は、筋肉量の減少や基礎代謝の低下を招き、結果的に太りやすい体質につながることがあります

さらに、誤ったダイエットなどによる偏った食生活は、鉄欠乏など潜在的な栄養不良のリスクを高める恐れがあります。

そして、強い「やせ願望」が続くと、拒食症や過食症などの摂食障害に発展するリスクもあるのです。


🚫拒食症
太ることを恐れて食事を制限することで、極端にやせてしまう状態です。

⚠️過食症
短期間のドカ食いと、体重増加を防ぐ行動(嘔吐や下剤の使用)を繰り返す状態です。



摂食障害は見た目だけの問題ではなく、体や心の健康に大きな影響を及ぼします。

慢性化すると、無月経・低血圧・不整脈などの健康障害を招く恐れがあります。

また、将来の骨粗鬆症や妊娠時のリスク、次世代の子どもの生活習慣病リスクも高まります。


- 対策 -

🥗栄養と体のケア
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
適切な栄養摂取や健康的な生活習慣を意識する

貧血対策として、鉄分を多く含む食品を、ビタミンCと組み合わせてとる


💖心と生活のケア
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
適正体重を理解し、誤った「やせ願望」は持たない

趣味や運動など、自分に合ったストレス解消法を見つける

摂食障害のサインを感じたら、早めに専門家に相談する


***


食欲不振や食べすぎのときも、体の声に耳を傾けながら、少しずつ調整するのがコツです。

明日からの食生活、ちょっとずつ意識してみませんか?😊






【参考文献】
図解入門よくわかる生理学の基本としくみ』(秀和システム)
栄養の基本がわかる図解事典』(成美堂出版)
いちばんわかりやすい栄養学の基本講座』(成美堂出版)
一生役立つ きちんとわかる栄養学』(西東社)
日本人の食事摂取基準 2025「微量ミネラル」(厚生労働省)
みんなの食育「ゆっくり食べる」(農林水産省)
こころもメンテしよう「ストレスのサイン」(厚生労働省)
睡眠と生活習慣病との深い関係(厚生労働省)
若い女性の「やせ」と健康・栄養問題(厚生労働省)





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