ストレスや季節の変化などでつい食べ過ぎてしまい、食欲が抑えられないことってありますよね。
食べることで一時的に満たされても、ストレスは解消されず、むしろ過食によって自分を苦しめるなんてことにも…。
私たちの心と身体は、毎日食べているものでつくられます。
今回は、弊社管理栄養士 加藤初美の著書『美人をつくる食事』から一部を抜粋し、「食べすぎを防ぐコツ」をご紹介します。
玄米ご飯で食べ過ぎをコントロール
から揚げや天ぷらといった揚げ物が好きでやめられない…そんなお悩みを聞くことがあります。
「脂っぽい食べもの(高脂肪食)は、麻薬よりも麻薬的」という話を、琉球大学医学部教授の益崎裕章教授からお聞きしました。
コカインやニコチン、アルコールよりも、動物性脂肪への依存は脱却が困難とのこと。(マウスを使った実験*1)
そんな「脂っぽい食事の誘惑」に打ち勝つ成分が、実は
“玄米”に含まれています。米ぬかの部分に含まれるγ-オリザノールという成分が脳に働きかけ、欲求を和らげてくれるそうです。(*2)
さらに玄米は、私たちの身体に必要な栄養素が40種類以上も含まれていることや、よく噛んで食べるようになることで、脳も心も満足して食べすぎを防ぐことができます。
ちなみに、ビタミン・ミネラル・食物繊維といった大切な栄養が取り去られ、ほぼ糖質のみとなった
精製されたお米(白米)は、
「エンプティカロリー」とも表現されます。
カロリーはあるけれど、それだけでなんの栄養もないという意味です。
脂っぽいものがやめられない方は、白米よりも玄米を選ぶようにしましょう。
*1:Nature Neurosclence 13:529-531,2010
*2:Diabetes 61: 3084-3093, 2012
“しっかりした味つけ”でドカ食いをストップ
いつも食べすぎてしまう人の特徴として、「濃い味つけが好き」ということがあります。濃い味つけのおかずは、ご飯を食べすぎてしまう危険なメニューです。
とはいえ、薄味ばかりだと満足感が得にくく、食べることが楽しくなくなります。
そんなときにオススメなのが、
「1回の献立のうち、1品だけはしっかり味つけをしておく」というものです。
すると、すべてが薄味、あるいは濃い味の献立と比べ、メニューにメリハリがつき、ヘルシーで満足感のある食事になります。
ここでよく誤解されがちなのは、
“濃い味つけ”と“しっかりした味つけ”は似ているようで少し違うという点です。
濃い味つけとは、調味料をたくさん使ってつくるため、塩分や糖分をとり過ぎるケースがあります。一方、しっかりした味つけとは、だしの旨みやスパイスを上手に使って、適正な塩分や糖分でも美味しいと感じられる風味や味わいがある調理法のことをいいます。
しっかりした味つけをしたい時、便利な食材が「カレー粉」です。いろいろな料理を味変させるのに役立ち、さらにスパイスの効果で身体が温まるので、代謝アップの効果も期待できます。
“ひと口30回”噛んで食べる
食欲をコントロールしたいなら、
噛みごたえのある食べ物にシフトするのがオススメです。
私たちは、食べ物を噛むことにより脳内にヒスタミンという物質が増え、満腹中枢が刺激されて「もうお腹いっぱい!」と感じるようになります。そのため、
よく噛むと食欲をコントロールできるようになるのです。
噛みごたえのある食べ物としては、根菜やキノコ、海藻などがあります。
とくに、根菜のなかでもレンコンは優秀食材。水溶性食物繊維が糖質や脂質の体内への吸収をブロックし、血糖値を安定させる働きがあります。
例えば煮物を作るときに、レンコンをゴロゴロと少し大きめにカットして入れるだけで、噛みごたえのあるメニューになります。
「ひと口30回噛む」ことを目安に、ゆっくり食べましょう。
食事をすることは、いつまでも続く私たちの大事な習慣です。
食欲を上手にコントロールして、心も身体も元気に、毎日の食事を楽しみましょう。
【参考】
書籍『美人をつくる食事』加藤初美(管理栄養士)/徳間書店