- 「酸化」から体を守ろう!抗酸化物質の働きとオススメ食材
- 2025年10月23日

私たちの体は毎日、酸素を取り込みながら活動しています。
でも、その酸素の一部は、体にとって少し厄介な存在「活性酸素」に変わることをご存知ですか?
活性酸素には、ウイルスや細菌などの異物を撃退し、病気から体を守る大切な役割があります。
一方で、過剰に増えると老化や不調の原因になることも。
そこで注目したいのが、「抗酸化作用」と、それを支える「抗酸化物質」です。
日々の食事で少し意識するだけで、体の中のバランスを整え、元気に過ごす力を支えてくれます。
活性酸素はどうして増える?体への影響は?
呼吸で取り入れた酸素のうち、2〜3%は体内で利用されず、活性酸素に変わります。
活性酸素は、病気から体を守るために欠かせない存在ですが、不安定でさまざまな物質と反応しやすい状態です。
そのため、過剰に発生すると、健康な細胞まで傷つけてしまうことに。
タンパク質や脂質、DNAなどが変性すると、老化が進み、病気のリスクも高まります。
活性酸素が増える要因
活性酸素は呼吸することで常に発生しますが、次のような刺激で増加します。
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紫外線
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ストレス
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喫煙
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多量の飲酒
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酸化された食品のとり過ぎ
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激しい運動
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一部の薬剤
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化学物質
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大気汚染・放射線 など
抗酸化作用ってどんな働き?
活性酸素は不安定な状態にある分子ですが、電子を与えて分子構造を変えれば活性酸素の酸化力がなくなります。
この、
活性酸素を無害化する働きが「抗酸化作用」です。
そして、この作用を持つ物質を
「抗酸化物質」と呼び、
電子を活性酸素に与えやすい物質ほど抗酸化力が高いということになります。
主な抗酸化物質には、βカロテン、ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどがあります。
抗酸化物質はチームで強くなる!
活性酸素には4種類あり、抗酸化物質が働く場所も異なります。
例えば、
ビタミンC:
水溶性のため、水分の多い部分で働く
ビタミンE・βカロテン:
脂溶性で、細胞膜など脂質の多い部分で働く
このように、体の中で役割を分担しているのです。
また、抗酸化物質は活性酸素を無害化した時点で抗酸化力が失われますが、他の物質から電子をもらう(還元する)ことで再び抗酸化力を取り戻せます。
例えばビタミンCは、酸化されたビタミンEを還元して、再び抗酸化力を発揮できるようにしてくれることがわかっています。
複数の抗酸化物質を組み合わせることで、互いの働きを強め合うネットワークが作られるのです。
食事で取り入れる抗酸化物質の力
主な抗酸化物質と、それを多く含むおすすめ食材をご紹介します。
スーパーに並ぶ色とりどりの食材が、あなたの健康を支える強い味方になってくれます。
| 抗酸化物質 |
オススメ食材 |
| ビタミンC |
ピーマン、キャベツ、ブロッコリー、じゃがいも |
| ビタミンE |
玄米、大豆、アボカド、かぼちゃ、ブロッコリー |
| αカロテン |
にんじん、かぼちゃ、インゲン豆 |
| βカロテン |
にんじん、かぼちゃ、春菊、ほうれん草、ピーマン |
| リコピン |
トマト、スイカ、赤パプリカ、柿 |
| ルテイン |
ほうれん草、ブロッコリー、小松菜、ケール |
| ゼアキサンチン |
パプリカ、とうもろこし、ほうれん草 |
| カプサンチン |
パプリカ、赤ピーマン、唐辛子 |
| ケルセチン |
たまねぎ、リンゴ、アスパラガス |
| カテキン |
緑茶、抹茶 |
| アントシアニン |
紫たまねぎ、黒豆、紫キャベツ、ナスの皮 |
| レスベラトロール |
赤ワイン、赤ぶどう(皮) |
| イソフラボン |
大豆、大豆製品 |
| クロロゲン酸 |
ナス、にんじん、じゃがいも(皮)、ごぼう |
| フェルラ酸 |
玄米 |
| γオリザノール |
玄米 |
| エルゴチオネイン |
きのこ、米こうじ |
| フィコシアニン |
スピルリナ |
■ビタミン系
■カロテノイド
■ポリフェノール
■植物由来
■アミノ酸由来
■タンパク質色素
***
野菜や果物、穀物や豆類など、それぞれに違った抗酸化物質が含まれています。
毎日の食卓に少しずつ取り入れて、内側から元気に、いきいきとした毎日を楽しみましょう!
【参考文献】
『野菜が決め手! 栄養の「こつ」』(柴田書店)
『新・野菜の便利帳 健康編』(高橋書店)
『一生役立つ きちんとわかる栄養学』(西東社)
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