- こだわり 〜弊社代表・鹿内のメッセージ〜
- 2018年10月31日
弊社代表・鹿内のメッセージをご紹介します。皆さまの「心の栄養」になれば幸いです。
こだわり
黒沢明監督『用心棒
』の撮影でのエピソードです。
見学者が体調を悪くして、気絶しかけた人が出ました。舞台は血まみれの宿場町、悪臭が立ち込めていました。黒沢さんはこうコメントしています。
「セットが血だらけで、それににおいをつけたのです。赤い塗料に重油か何かを混ぜました、いやなにおいがするように」
臭気はカメラに映らない、見えない部分にどこまで神経を使うかが名作を生むのでしょうか。
並び称される名作
『赤ひげ
』にも同様なことが…
舞台となる小石川養成所のセットでは、部屋の全体に薬棚が備えてあります。
その中でも、撮影される予定のない引き出しの一部には、中に本物の薬が詰められていたというのです。なんともワクワクする映画ならではの「こだわり」ですね。
このところ、この
『赤ひげ
』を使った大手飲料メーカーのCMをよく目にします。有名俳優が登場し、「130を超えると血圧高め、血圧対策飲料、売り上げナンバー1」と大々的なものです。
そもそも私は、画一的な数字の枠の中で、健康度合いを測ることに反対です。2014年には日本人間ドック学会も、欧米に比較してあまりにも日本がBMI、血圧、コレステロール、中性脂肪などの正常数値の幅が狭く、男女、年齢に関係なく標準化しすぎる、見直すべきだと発表していました。医療費増大、特に投薬増加につながっている要因であることも指摘しています。まったく同感です。ですが、残念ながらいつのまにか、この学会の見解はもみ消されてしまったようです。
CM、通販の話題に戻します。効果的な商品は数多く日本にあります。ただ、過大な表現によりいたずらに購買意欲をあおるものが目に付きます。【半額
】【無料
】を大きな活字で表し、肝心要なことは虫眼鏡で見ないと読めないくらい小さな字です。例えば、「体質に合わなければ利用を控えてください」「疾病に罹患していたら医師に相談してください」などです。
私たちの健康食品、サプリメント業界の役割は今後ますます重要になります。医療費の増大を抑え、健康社会を目指すために、商品に自信を持ち、正しい情報を国民に伝えていかねばなりません。オーバーな表現や、本質と違うことで国民を煽り、惑わしてはいけないのです。
『用心棒
』『赤ひげ
』は映像の本物追及の「こだわり」であって、意味が違います。あるかのように見せ、表現してゆくやり方から抜け出せない限り、本当の健康社会はやってこないのです。
株式会社玄米酵素 代表取締役社長 鹿内正孝
弊社情報誌『はい!元氣らいふ2018年11・12月号』より