玄米酵素

食改善を推奨する医師・医療従事者へのインタビュー

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「古医道(こいどう)」の精神を、医療に活かす

一般社団法人 古医道研究所 代表理事/日本抗加齢医学会専門医/家庭医療専門医
竹之下 れみ 先生

「古医道(こいどう)」の精神を、医療に活かす

高校卒業後、社会人経験を経て医師となった竹之下れみ先生。古来、日本神道で行われていた、古医道(こいどう)の考え方を医療に取り入れている。日本人としての精神を受け継ぎ、日本人にあった医療を目指し、一般社団法人 古医道研究所の代表理事として日々診療・講演活動にご活躍の、竹之下れみ先生にお話しを伺った。

社会人から医師を目指す

高校卒業後様々な仕事を経験し、社会の荒波に揉まれました。中でも最後に在籍した医薬品開発関係の会社では、自分の生き方を考えさせられる貴重な経験をしました。当時、私は会社の中の小さな歯車の一つに過ぎませんでしたので、自分自身の意思・意見・信条を貫くことはできませんでした。そういった経験の中で、思い悩み、葛藤の末に、自分の意思で正しいと思うことができる仕事への欲求が湧きました。今思えば、若い頃は社会の厳しさも知らず、どう生きるべきか、確固たるものがありませんでした。

私の祖父は鹿児島の片田舎で医師をしていました。私が生まれた時には亡くなっていましたので、直接祖父に接したことはありません。しかし、幼い頃、田舎にお墓参りに行く度に、かつて患者さんだった方々が「お祖父さんに本当に良くしてもらったよ。」と声をかけてくださる機会が頻繁にありました。当時の私はまだ幼く、その意味がよく分かりませんでした。後に、結核の特効薬が開発された当時、村の貧しい方々には無料で治療していた事実を知り、祖父の医師として、人間としての生き方を尊敬するようになりました。

祖父は軍医として第二次世界大戦にも行きました。伝え聞くところによりますと、軍医であった為、終戦後軍事裁判にかけられたのですが、敵国の兵士を助けたという証言により、戦犯となることを免れたそうです。私自身が医師となり、今もし同じように戦場に行ったとしたら、祖父のように目の前の患者さんを助けられるだろうか?と考えさせられるエピソードでした。極限状態でも患者さんの命を救うことを使命感として持っていた祖父の強い意思を感じたものです。このような祖父の生き方に影響を受けて、人の役に立つ生き方をしたいという思いが湧いてきました。

結局、社会人としてOLをしながら医学部を受験しました。簡単には合格できず、精神的に落ち込むこともありましたが、心ある方々から支援や応援を受け、国立大学の医学部に入学できました。入学当時、年下の同級生から「れみねぇ」と呼ばれ、6年間楽しく学生生活を満喫しました。

重度のアトピー性皮膚炎でした

幼少期から重度のアトピー性皮膚炎でした。当時、両親は西洋医学でアトピー性皮膚炎は治せると考えており、「名医」がいると聞けば、県を超えて治療に連れて行ってくれました。自分が医師になって分かるのですが、処方する薬は今も昔も大きく変わっておらず、ステロイド軟膏の塗布と、抗ヒスタミン薬の内服が基本です。これらは症状を抑えているだけなので、増悪と寛解を繰り返し、完治はしません。

結局、私の場合は食事でアトピー性皮膚炎を完治しました。昔は甘いものや不健康なものが大好きでしたが、現在は、和食や腸活を意識した食事を楽しんでいます。スキンケアも試行錯誤する中で、ステロイド塗布薬や飲み薬は全く不要な状態にまでもってくることができました。

古医道(こいどう)

医師として、何年か経過した頃、必ずしも西洋医学が完璧に日本人に合っているとは言えないのではないか?と考えるようになりました。勿論、救急救命医療、外科的手術等、西洋医学が大いに貢献しているのは事実です。しかし、未病の状況や生活習慣病の発症初期の段階においては、薬を内服することで「自ら治そうとする力」を阻害している事もある、と考えるようになりました。自分の医師としての「正しい道」とは何なのか?と考えていたところ、私自身のルーツを知る機会を得ました。私自身の実家は神主の家系だったのです。今思い返せば、幼い頃から家のお葬式なども神道で執り行われていました。

日本古来の「祈り」を含めた古代医療に、江戸時代の医家が「古醫道」と名付けた記録があるそうです。旧字体の「醫」には「酉(とり)」が使われています。しかし、自分自身のルーツを知り、「巫女」の「巫」を部首に含み、訓読みで「いやす・くすし」と読む「毉」を使用して「古毉道」としました。こういった経緯から「古毉道研究所」として講演活動をさせていただいています。

「古毉道」では病の治癒に対して、祈りを捧げる役割を巫女が担っていました。私たち医師も、患者さんの治療にはベストを尽くしますが、ある時点まで達すると、時には祈り、天命に任せるしかない時もあります。時代を越えて、形、職業を変えて、私自身が祈りを捧げる仕事をしていると理解するようになりました。

私のルーツ「嶽之下神社」は、現在も静岡県の雄大な富士山を望む丘の上に、千年以上の時を越えて静かに在ります。



※本来は「醫」が正しい表記ですが、タイトルや見出しでは文字化けを避けるため「医」を使用しています。

今、私ができること

日本は、国民皆保険制度が確立しており、いつでも医療機関にアクセスできます。反対にアメリカは、医療費が高額で、順番待ちが長く、アクセスも困難であるため、患者さん自身が病気になる前の予防(予防医学)への意識が非常に高く、サプリメントなどの展開も日本とは比べものになりません。日本人も、食事に気をつけ、適度な運動をして、生活習慣全般を改善できれば、病気を予防することができるのですが、安易に医療にアクセスでき、安価に薬が手に入るため、予防への意識が低くなっています。

私自身の患者の立場の経験から、皆さんにはまず食事と生活習慣を見直してほしいと考えています。更に、どうやってメンタルを整えるかも極めで重要です。しかし、普段の保険診療の短い診察の中で、これらをご理解いただくことは非常に難しいのが現状です。

そのため、自分で自分を「毉(い)やす」方法を、「健康毉学」と定義し、これを広める講演活動を行っています。講演会は一般向けのみならず、医療の枠を越えて、接骨院やエステなどのセラピストの方々も対象です。未病の患者さんと多く接するこれらの職業の方にこそ、知っていただきたいという思いもあり、全国どこからでも学べるよう、オンライン講座を開設いたしました。

玄米酵素とのご縁

私自身のアトピー性皮膚炎を治療する過程で、食事内容には物凄く気を配り、食材も厳選していました。その中で、玄米を食べて体調が非常に良くなった経験があり、玄米にはすごく良いイメージがありました。

アトピー性皮膚炎や抗生剤への薬剤アレルギーの経験から、漢方薬以外の薬や、化学的・合成的なものに良いイメージがありませんでした。サプリメントに対しても、どちらかと言えば否定的でした。

昨年6月に日本抗加齢医学会の展示ブースで玄米酵素と出会いました。50年以上の歴史がある会社だと聞き、とても驚いたことを覚えています。サプリメントは嫌いだけれども、玄米ならまだ許せるかな?と思い、サンプルをいただきましたが、食べ続けることには繋がりませんでした。そんな折に、知人の看護師さんで、重度のアトピー性皮膚炎の方に半年ぶりにお会いしました。症状が顕著に改善し、表情も明るくなっていてビックリ。理由を聞くと、実は数ヵ月前から玄米酵素(スピルリナ)を食べているとの答えでした。私自身が勧めた訳ではなく、彼女自身で玄米酵素にたどり着いていたのです。それ以来、様々な症状が改善するなら、救われる患者さんがたくさんいるだろう!と思い、私の周囲にもおすすめしています。

サプリメントには否定的だったと申し上げましたが、玄米酵素は成分を抽出しているわけではなく、玄米そのものを発酵させた食品なので、いわゆる「サプリメント」とは少し違うと理解するようにもなりました。

今年の6月、私の患者さんと一緒に2泊3日で玄米酵素洞爺健康館に行ってきました。その方は、以前とても体調が悪く、外出や旅行もままならない状態でした。そこで、逐一食事内容を報告していただき、体調の経過を報告してもらうことで、ご自身の体に合わない食べ物を排除し、更に食事改善の一環で、玄米酵素も食べていただきました。結果、3ヵ月で体調がみるみる改善し、洞爺健康館にお誘いしたところ、是非行ってみたいとのことでご一緒させていただきました。洞爺健康館の健康的な食事や、近接の玄米酵素洞爺自然農園も見学させていただき、滞在を喜んでいただけました。

目指したいこと

おそらく、玄米酵素に辿り着いている方は、西洋医学が日本人にとってパーフェクトではない事に気づいていらっしゃるのではないでしょうか。ところが、世の中の殆どの方、特に若い世代は薬を飲んだり、点滴をすれば病気は治るし、体調も良くなると思っています。しかし、それらは根本的な治療には至っていない場合も少なくありません。

簡単に健康になれる道はありません。私自身もそうであったように、失敗と経験を重ねながらの長い道のりです。私自身も含め皆で勉強して、試しながら健康になっていきましょう。人間も動物ですので、本来は言語化できない感覚的なものが備わっていたはずです。私はこれを「触覚」と呼んでいます。現代は、皆さんが「触覚」があったことを忘れ、頭で考え過ぎていると感じます。もっと自分の「触覚」の感度を磨いて、一つ一つ自分にあったものを自分の触覚で「選び抜く」という行動をして欲しいと思います。

西洋医学では標準治療を行うためのガイドラインがあります。これは、データに基づく根拠のある医療です。確率的な安全性と有効性を担保しますが、それがその個人に当てはまるか?は別な問題だと思っています。私は診察時に、その人がどういう人なのか?を良く観察します。病歴把握のみではなく、非言語的な情報を読み取った上で、その人にあった解決法を考えて提示しています。ですので、大量生産・大量消費のような医療の考え方は合わないかもしれません。

最近「腸活」という言葉を耳にするようになり、予防医学への意識が高まりつつあると感じます。私の提唱する「健康毉学」が広く浸透し、日本人の健康に寄与していくことを願っています。

このような活動で、少しでも人の役に立ったと感じることができれば、笑顔で来世に行ける気がします。祖父に笑顔で報告できるような生き方をしたいですね。

Profile

竹之下 れみ(たけのした れみ)
佐賀大学医学部卒業、北海道手稲渓仁会病院、静岡家庭医療養成プログラム等に勤務。米国ハワイ大学・ミシガン大学の家庭医療科で研修を受ける。英語での診療も行っている。現在、日本人が自らを「毉(いやす)」方法を『健康毉学』と定義し、その重要性を説く講演のため、全国を飛び回っている。
一般社団法人 古毉道研究所代表理事/日本抗加齢医学会専門医/家庭医療専門医/日本渡航医学会専門医療職


竹之下れみ先生の健康毉学講座に興味のある方は
古毉道研究所のサイト内にある、健康毉学オンライン講座開設のお知らせをご覧ください。