玄米酵素

食改善を推奨する医師・医療従事者へのインタビュー

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「生まれてからもずっと結ばれていたい」
母と子の想いに応えることが出来る、祝福に満ちた場を創りたい。

ゆいクリニック 院長・産婦人科医
島袋 史 先生

「生まれてからもずっと結ばれていたい」
母と子の想いに応えることが出来る、祝福に満ちた場を創りたい。

沖縄県沖縄市のゆいクリニック(産科・婦人科)は、アットホームなお産ができるクリニック。分娩台も新生児室もなく、自然なスタイルで出産ができ、産後も母子同室で過ごすことができます。幸せなお産には食生活が大切だと考え、妊婦さんには食品添加物を極力使用しないこと、玄米食をすすめるなど、丁寧に食生活のアドバイスをしています。さらには漢方診療、栄養療法などの代替療法、食や運動に関する健康講座といった啓発活動にも取り組んでいます。

病院らしくない、お家のように安らげるクリニックを目指して

 私は1995年に琉球大学医学部を卒業後、県内の複数の総合病院で産婦人科医として勤務してまいりました。親子の結びつきを強めるためには、お母さんが生まれた直後の赤ちゃんを胸の上で抱っこすることが大切です。この母子の早期接触により、赤ちゃんは「この世に生まれて来て良かった」と感じることができ、人生をより良い形でスタートすることができるのです。お母さんも赤ちゃんを抱くことで、本能的に良い親子関係が構築できます。

 ところが勤務していた総合病院で、それが出来ないルールになってしまいました。お母さんに産まれた赤ちゃんをすぐに抱っこしてもらいたいという想いの中で、それができないジレンマに悩んでいました。そんなとき、上司に「やりたいことがあるのだったら、自分で開業したら?」と言われたことをきっかけに、自らクリニックを創ることを決意しました。ゆいクリニックは「病院らしくなく、お家のように安らげる」環境を提供したいという想いから、5床という小さな施設にしました。また、分娩台はなく、産婦さんが本能的に産みやすいように好きな姿勢でお産をします。もちろん生まれた直後に、お母さんの胸の上で赤ちゃんを抱っこしてもらいます。

食事を変えたら頭痛がなくなり、イライラしなくなった

 数年前までは食と健康へのこだわりが弱く、砂糖の多いお菓子やジャンクフードも「まぁこれくらいはいいかな」と結構食べていました。クリニックのスタッフにお菓子を配って、みんなで食べることもよくありました。しかし3年前に自然療法を行う医師・内山葉子先生と出会い、「今すぐ食事を変えなくては!」と衝撃を受けました。開院当時から入院食は玄米食で、添加物を含む加工食品も使わないようにしていましたが、それを期に、砂糖・小麦・乳製品も使わないなど、さらに食にこだわるようになりました。

 以前は月に1回は疲労がたまると頭痛が出て、痛み止めの薬を使っていましたが、食事を変えてからは不要になりました。もう2年くらい飲んでいないと思います。もう一つ、食事を変えてからイライラすることが減りました。スタッフからは「先生、以前より怒らなくなりましたね」と言われます(笑)。

産後の入院食は玄米を主食にした健康メニュー

 産後の入院食の主食は玄米、食材の産地、調理法にもこだわっています。ゆいクリニックの調理へのこだわりは以下の通りです。今後の研究によって、さらに進化していくと思います。

  • 食品添加物を極力使用しない
  • 県産・国産を優先して使用する
  • できるだけ手作りする(味噌・納豆・甘酒・米麹・ドレッシング・梅干し・みりん・マヨネーズ等)
  • 砂糖やその他健康に悪い人工甘味料を使用しない(ハチミツ・甘酒・オリゴ糖などで甘味を代用し、甘味料を使いすぎない甘さを抑えた味付け)
  • 小麦・乳製品不使用(グルテンフリー、カゼインフリー)
  • 玄米ごはん
  • 生のお野菜や果物(ローフードを取り入れる)
  • 揚げ物なし
  • トランス脂肪酸フリーの油使用
  • ドレッシングには健康に良い油使用

 料理にこだわると調理スタッフも人数が必要なので徐々に増えていき、今は全部で40名くらいです。スタッフにもランチにファストフードを食べるのをやめて健康的な食生活をして欲しいので、クリニックで作る玄米自然食の食事を特別職員価格(300円)で提供しています。

玄米食は現代人の栄養不足を解消

 「現代人はみんな栄養失調です」と聞くと驚かれると思います。飽食の時代と言われ、肥満が問題視されている現代に栄養失調なんて、と思われることでしょう。しかし、身体に必要なタンパク質やミネラル、ビタミン不足の人がとても多いのです。実は玄米を食べることで栄養不足を解消できる可能性があるのです。玄米に豊富に含まれるビタミンBには疲労回復効果、ビタミンEには抗酸化作用があります。玄米には、更年期女性や妊娠を考えている女性にとって非常に大切なビタミンがたくさん含まれているのです。

 さらに、玄米には「γ−オリザノール」という成分が含まれています。γ−オリザノールには、コレステロール低下作用、脳機能の改善作用など多くの効果があります。また脂っこい食事を好まなくなる、肥満防止効果やインスリンの分泌を促進し血糖を下げる効果も報告されています。おいしくて健康によい玄米の炊き方を、常に研究しています。

母親教室だけでなく、総合的に健康になれる講座を開催

 母乳には、赤ちゃんの脳の成長に大切な栄養素がたくさん含まれています。母乳で育てられると、下痢、気管支炎、中耳炎、感染症などの病気にかかりにくくなります。さらに、お母さんが赤ちゃんに母乳をあげると増える"おっぱいホルモン"が、お母さんと赤ちゃんとのきずな作りを助けてくれます。

 しかし、体重の増えが少しでも悪いと安易に人工乳が勧められたり、離乳食を食べないなら母乳を止めなさい、と指導される場合があります。そこでお母さん達が長く母乳育児を続けられるように、母乳育児の大切さを学んでいただく講座を、ゆいクリニック内の「さんルーム」という会場で開催しています。現在は母親教室だけでなく、栄養講座、離乳食講座、夫婦で参加する妊婦クラス、ヨガ、バランスボールのエクスサイズ、西式健康法、骨盤底筋エクササイズなど、様々な講座を開催。妊婦やお母さんだけでなく、ご家族や知人、地域の方、幅広くみなさまの健康増進に役立つ場を作っています。

 自分自身の妊娠中の食事を省みると、かなりひどいものでした。できることなら戻ってやり直したいくらいですが、それは叶わないので、自分への反省を込めて、妊婦さんには、お腹の赤ちゃんを大切にするような食生活を学んでもらいたいです。

Profile

島袋 史(しまぶくろ ふみ)
琉球大学医学部卒業後、琉球大学医学部産婦人科教室に所属、県立那覇病院、中頭病院、那覇市立病院など県内病院で研修を受ける。2005年〜浦添総合病院産婦人科勤務、2011年11月ゆいクリニック開業。産婦人科専門医、母体保護法指定医、ホメオパシー認定医、新生児蘇生法インストラクター。