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食改善を推奨する医師・医療従事者へのインタビュー

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「汝の食事を薬とせよ」
私の究極のミッションは医者のいらない世界創り。

内科医・産業医
池田 和子 先生

「汝の食事を薬とせよ」
私の究極のミッションは医者のいらない世界創り。

循環器内科が専門で、現在は産業医としても活躍されている池田和子先生。医学部卒業後は、内科医として順調に歩んでいたが、妊娠・出産で大きな岐路に。産後も続く体調不良を機に、これまで学んできた西洋医学への懐疑的な思いが湧き上がってきたという。以後、東洋医学や代替医療などを学び、患者さんを包括的に捉え診療することをモットーにしている。その池田先生に、医療への思いや健康になるためのヒントなどを伺った。
(はい!元氣らいふ2019年1・2月号より)

妊娠・出産で、デブ症から出不精に 悩んだ末に出合ったのが「食事療法」

妊娠中に過食が原因で体重が80s近くになり、体調不良に陥ったことがあります。出産しても体重は全然減らない。体が重いので動きたくなくなって、悪循環。今思えば産後うつ≠セったのかもしれません。デブ症の出不精…。
ただ、子どもは母乳で育てたいと思っていましたので、薬は飲めない。ならば一体どうしたらいいだろう、と思い悩んでいた時に、はたと気づいたのが、私は患者さんに薬を出すことしかしてこなかったのではないか。薬を出せば治ると。しかし、この重くなった体は薬を飲んでも治るわけではない。
そう考えた時に、これは西洋医学では治せないのではないかと思い至ったのです。では、代替医療は?東洋医学では?そうして出合ったのが「食事療法」でした。しかし、医学部では栄養の勉強はしてきませんでした。さらにいえば、薬の勉強も…。何をしていたのだろうという思いでしたが、そこから一念発起し、まずは食事のことを学びました。その時読んだある本に、アメリカには“You are what you eat.”(あなたはあなたの食べた物でできている)という言葉がありました。当たり前すぎてこれまで考えてもみなかったことですが、この時はすごく腑に落ちました。
その後、マクロビオティックなどを学び、食事で病気が改善した事例を見るにつけ、食事の重要性を再認識しました。そんな折りに出合ったのが、ヒポクラテスの言葉「食事で治せない病気は医者でも治せない」です。これには本当に衝撃を受けました。医者が病気を治す、という考えは医者のおごりではないかと思い、大いに反省しました。

自然に近いスタイルで生活していたら 健康になるのは本当は簡単

体の方は、食事療法と運動で一年以上かかりましたが、10sくらい減り、段々と元に戻っていきました。数年は、動物性のものを一切食べないビーガン(純粋菜食主義者)でしたし、ローフードを学んだり、運動もジムに通ってかなりストイックにやりました。良いといわれるものはいろいろと実行しましたが、今は特別な食事制限はしていません。ただ、野菜は茹でるだけ、米なら玄米を中心にして、白米の時はもち麦や雑穀を入れるなど、なるべく自然に近い形のものをいただくようにしています。
キノコ類、特に舞茸を使った朝の味噌汁はおすすめです。キノコ類はβ−グルカンを含んでいて、これがナチュラルキラー細胞(NK細胞)※を活性化してくれます。このNK細胞が活性化するのは午前10時頃という説もあり、それに合わせてβ−グルカンをとるといいわけです。キノコ類の他に、大麦若葉にも植物性グルカンが含まれています。こうした時間を意識した食べ方を時々しているのですが、これを時間治療といいます。
時間治療の観点からすると、やはり自然に近いスタイルで生活していれば、健康になるのではないかと思います。人間も自然の一部ですから、自然に近い形で食べ物をとったら、負担なく消化吸収できる。食べ物も加工したり、大量の食品添加物が使われていれば、消化吸収に余計なエネルギーを使ってしまい、体を不健康にしてしまうと思うのです。つまり、自然な形で当たり前の生活をしていたら、病気にはならないのではないかと思うのです。夜になったら寝る、朝になったら起きて活動する。「健康になるのは難しい」と言う方が多いのですが、発想の転換をしていただくと良いと思います。健康になるのは、本当は簡単なのだと。

※がん細胞やウイルス感染細胞などを見つけ出し、攻撃する働きをもつリンパ球の一種。

薬は飲んでも飲まれるな 誰でも治す力を持っている

専門は循環器内科ですが、今は3つの病院で診療にあたり、一般内科も担当しています。かつて自由診療の病院長をしていた時期もあります。
一般に患者さんは「病気になったら薬を飲んで治す」、これが当たり前だと思って受診される方が多い。しかし、食事療法で薬を減らす、あるいは病気を治すことも可能なのです。私はできるだけ薬に頼らない医療を啓蒙していけたらと思っているのですが、「薬を減らす」と言うと「嫌だ」と言う患者さんもいます。人間の体には本来、治そうとする力があります。薬は少ないにこしたことはなく、薬は飲んでも飲まれるな、です。
ただ、薬に対して罪悪感を持っていただくのも良くないとは思っています。睡眠薬などはあまり処方しないのですが、飲みたくないがどうしても眠れないという方もいらっしゃる。そんな時は、飲んでも飲まなくてもいいというのが私のスタンスです。飲めとか飲むなと言うのは、相手をコントロールすることになると思うので、まずは患者さんの現状を受け止める。そして、患者さん自身が良くなりたい、治りたい、薬を減らしてみたいと自ら気づいてもらえるような診療を心がけています。
「汝の食事を薬とせよ」「人間は誰でも体の中に、100人の名医を持っている」いずれもヒポクラテスの言葉です。体に入れるものの大切さ。自分の体の中にある治す力。これに気づき、これらを活かすことができれば、究極のところ、医者はいらなくなるはず。私はこれを自分のミッションと決め、そんな世界を創りたいと思っています。

Profile

池田 和子(いけだかずこ)
東京都生まれ。北里大学医学部卒業。専門は循環器内科、女性医療、産業医。北里大学病院内科研修を経て、平塚共済病院、大和市立病院、北里大学病院循環器内科勤務。出産を契機に女性医療にも従事するようになり、女性専門外来のクリニックなどで、あらゆる世代の女性の心と体の健康問題に取り組む。病気や不調は体からのサインと考え、症状だけをなくすのではなく総合的な健康へのアプローチを目指し診療にあたっている。