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食改善を推奨する医師・医療従事者へのインタビュー

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増える糖尿病患者にオーダーメイド治療を実践。地域医療への貢献が使命。

たに内科クリニック 院長
谷 光憲 先生

増える糖尿病患者にオーダーメイド治療を実践。地域医療への貢献が使命。

北は北海道最北の地・稚内、東は枝幸、南は士別、広範囲から患者さんは名寄市にある“たに内科クリニック”を訪れる。院長の谷光憲先生は、消化器・内視鏡がご専門ながら、近年患者数が増加する糖尿病の治療に力を入れている。看護師は元より、「日本糖尿病療養指導士」の資格をもつ管理栄養士が常駐し、療養指導を行うという希有なクリニックだ。旭川にほど近い比布(ぴっぷ)の出身で、地域医療への貢献を目指し奮闘する谷先生に、日々の診療や糖尿病治療について伺った。
(はい!元氣らいふ2017年1・2月号より)

朝、7時半より診療開始 完全予約制で1日約100人を診察

名寄で開業して13年。専門は消化器内科ですが、消化器の病気(特に膵臓)と代謝病である糖尿病は表裏一体だと考えています。実際、お腹の調子が悪いと訴えて来られた患者さんを検査したら、高血糖だったというケースもあります。糖尿病の合併症で目の見えなくなった方、透析になった方など、さまざまいらっしゃいます。やはり糖尿病は、がんと同様に早期に発見して早期に治療介入しないと、取り返しのつかない合併症に発展してしまいます。
全国でも糖尿病の患者数は増えていますが、名寄でも高齢化とともに糖尿病は増加しています。そうした背景もあり、私自身、「糖尿病療養指導医」の資格を取り、啓蒙活動を積極的に行っています。月に1回は院内で講演会を開催。年に数回、名寄市からの依頼で、市民公開講座での講演も行います。講演会は二部構成にし、管理栄養士(または栄養士)による食事の話も盛り込んでいます。他に、院内新聞を発行(月1回)し、名寄新聞には週1回、「まち医者のひとり言」というコラムで、さまざまな疾患について書かせてもらっています。
そうした影響か、患者さんは広範囲から来院され、現在総数は約4000人。そのうちのおよそ3割が高血圧、そして糖尿病と消化器がそれぞれ2割程度、他に更年期、骨粗しょう症、泌尿器、婦人科などです。元々、専門性をもった""かかりつけ医""を目指していたので、いろいろな疾患を診させてもらっています。
開業当時は、朝8時半に診療を始めていたのですが、開始前から並ぶ方がいて、半年後に8時に繰り上げました。それでも並ぶ方が…。そこで1年後に7時半にして完全予約制にしました。内視鏡は元々予約制でしたが、診療も予約制にして、その結果患者さんも待たずにすみ、導入してよかったと思っています。スタッフの協力があってこそですが、現在1日100人くらいの患者さんを診ています。

「24時間持続血糖測定器」を導入 患者さん一人々々に合った治療を

糖尿病の治療では、まず初回は空腹時の血糖と膵臓から出るインスリンの分泌量を検査します。それを元に病態を見分け、次回は食後の随時血糖を測り、食後の血糖の高い方にはこの薬、食前の血糖が高い方にはこの薬というように、患者さんそれぞれに合わせた薬を選択し、治療を行っています。
5年程前に「24時間持続血糖測定器(CGM)」を導入しました。旭川以北のクリニックでは当院が初とのことですが、500円玉くらいの大きさでセンサーを皮下組織に装着し、24時間の血糖変動を測定するものです。1日数回、患者さん自身による自己血糖測定も必要ですが、その数値と連動させることで、装置を付けた1週間程度の血糖の日内変動が解析できます。強い薬を服用すると、明け方に低血糖で心筋梗塞を起こすケースも報告されていますので、そうした下げ過ぎを防ぐためにも、新患の方にはCGMを使ってもらい最適な薬を選択しています。このCGMによる測定は、専門医が多数いる大学病院などは別として、保険適用にならないため、損は承知で原価の一部を負担いただくような金額で実施しています。
当院には現在「日本糖尿病療養指導士」の資格をもつ管理栄養士がいますが、他のスタッフもこの資格取得を目指して勉強している最中です。こうしたスタッフ達が、CGMにより得られた日内変動データと患者さんが申告した食事内容を照らし合わせ、個別に栄養指導・運動指導を行い、オーダーメイド治療を目指し実践しています。

モットーは“医療は総合力”

日々の診療に関しては、患者さんのために、その日できることを精一杯行うことを大切に、あまり先のことは考えていません。一期一会といいますが、患者さんとは、今日会えて良かった、この次も元気で会えたらいいね、という感謝の気持ちをもって毎日接しています。患者さんの再受診の要因は、医師の技術が86%、14%はスタッフの応対や設備だというアンケート結果があります。私がこうした診療を行えるのも、スタッフの協力の賜物。糖尿病の治療は継続が大事なだけに、「総合力」をモットーに患者さんを脱落させない医療を行っていきたいと考えています。

Profile

谷 光憲(たにみつのり)1960年北海道生まれ。1989年弘前大学医学部卒業後、旭川医科大学大学院入学。胆汁酸研究で博士号取得。名寄市立総合病院内科・消化器内科、上川町立病院副院長、旭川医科大学第二内科非常勤講師などを経て、2003年に開院。日本消化器病学会専門医・北海道支部評議員、日本内科学会認定内科医、日本禁煙学会禁煙専門・認定指導医。近年はFBRA(玄米酵素の学術名)の臨床研究にも携わっている。