「忙しくてパパッと外食で済ませている」
「料理はするけど加工食品を使いがち」
そんな方は、カリウムが不足しているかもしれません。
でも「カリウム不足」と言われても、いまいちピンとこない方も多いのでは。
では、「塩分を控えましょう」、これはよく聞く言葉ではないでしょうか。
ここに、カリウムが大きく関わっているのです。
「カリウム」にはどんな働きがあるの?
カリウムは、私たちが生きるために欠かせないミネラル(体の働きを整える栄養素)の一つです。
主に次のような働きがあります。
●体内の水分バランスを支える
細胞膜には、ナトリウムとカリウムを細胞内外へ移動させる「ナトリウム-カリウムポンプ」と呼ばれる機能があります。
この働きによって細胞内外の水分バランスが保たれており、ナトリウムやカリウムが不足したり過剰になったりすると、正常な機能に影響を及ぼすことがあります。
また、これらのミネラルは体液のpHバランスの維持にも関わっています。
●血圧の上昇を抑える
カリウムには、体内の余分なナトリウムを排出しやすくする働きがあります。
ナトリウムが排出されると余分な水分も外に出やすくなり、血圧の上昇を抑えることにつながります。また、手足のむくみ予防にも役立ちます。
高血圧は脳卒中などの心血管疾患のリスク要因の一つです。カリウムを十分にとり、ナトリウムの摂取を控えることは、これらのリスク低下にもつながると報告されています。
●筋肉や神経の働きをコントロール
手足の筋肉だけではなく、心臓を動かす心筋の正常な働きにも関わっています。
カリウムは生体反応に必要な酵素を活性化させます。また筋肉の収縮を調整する作用もあり、これにより心臓の機能や筋肉の機能を正常に保つことができます。
💡日本人のカリウム摂取の目標量は、15歳以上の男性で3,000mg/日以上、女性で2,600mg/日以上と設定されていますが、令和6年国民健康・栄養調査によると、カリウム摂取量の平均値は20歳以上の
男性で2,351mg/日、女性で2,167mg/日と、
男女ともに目標量を下回っています。
和食は、塩・みそ・醤油などで味付けすることが多く、塩分が多くなりがちのため、カリウムを意識してとる必要があります。
カリウムが不足するとどうなるの?
カリウムが不足すると、ナトリウムが排泄しづらくなるため、血圧が高くなることがあります。
また、筋肉の収縮が正常に行われなくなり、筋力低下や不整脈が起こりやすくなります。
カリウム不足になりやすい食習慣をチェックしてみましょう。
□
野菜をあまり食べない
□
外食やコンビニ食が多い
□
加工食品やインスタント食品をよく利用する
□
パンや麺類だけで済ませがち
□
海藻や豆類を食べる機会が少ない
□
野菜は茹でて食べることが多い
☕カフェインやアルコールにも注意
カフェインやアルコールには利尿作用があり、とり過ぎるとカリウムが体外へ排泄されやすくなります。
また、汗をたくさんかいたときや、嘔吐・下痢が続いているときも、カリウムは失われやすくなります。
「なんとなくだるい」「食欲がわかない」といった不調の背景に、カリウム不足が関係していることもあるため、日頃から意識して補いたいですね。
⚠️カリウムは「とり過ぎ」にも気をつけて
とりすぎたカリウムは尿で排泄されますが、腎臓の機能が低下していると上手く排泄できず、不整脈や胃腸障害を起こすことがあります。
カリウム摂取制限が出ている場合は、必ず医師の指示に従ってください。
カリウムが多い食品と、効率よくとる方法
カリウムは多くの食品に含まれるため、野菜や大豆製品、芋類などをバランスよく食べていれば、不足しにくい栄養素です。
ただし、果物は糖質が多いため、食べ過ぎには気をつけましょう。
●カリウムが多い食品の例
野菜:ほうれん草、枝豆、にら、小松菜
豆類:納豆、ゆで大豆
芋類:里芋、やまと芋、さつま芋
海藻:ひじき、わかめ
果物:アボカド、バナナ、メロン、キウイ
🥗食材選びと調理のコツ
カリウムは水に溶け出しやすいため、茹でる調理では失われやすい栄養素です。
そのため、野菜を十分に食べているつもりでも、思ったほどとれていないことがあります。
効率よくカリウムを補うためには、
- 根菜類や芋類をとり入れる
- 汁ごと食べられる味噌汁やスープにする
- 生野菜や果物も上手に活用する
といった工夫がおすすめです。
🌾カリウムの増やし方
いつもの食事を、ひと工夫してみましょう。
- 主食を玄米にする
(カリウム量を茶碗1杯150gで比較すると、玄米143mg、白米44mg) - 味噌汁やスープは具だくさんにする
- 納豆や冷や奴など、手軽に食べられる大豆製品をプラスする
- 豆乳や野菜ジュースなどの飲みものも活用する
- 間食には、さつま芋などの芋類を選ぶ
***
カリウムは、私たちの体に欠かせない大切なミネラルです。
不足しないためには、特定の食品だけに頼るのではなく、野菜や豆類、海藻類、芋類などを組み合わせながら、食事全体のバランスを整えることが大切です。
主食に玄米を混ぜる、味噌汁の具を1つ増やすなど、毎日の食卓でできる小さな工夫から始めてみてはいかがでしょうか。
【参考文献】
『
正しい知識で健康をつくる あたらしい栄養学』(高橋書店)
『
一生役立つ きちんとわかる栄養学』(西東社)
『
新しい栄養学と食のきほん事典』(西東社)
ナトカリ手帳(厚生労働省)
日本人の食事摂取基準2025(厚生労働省)
日本食品標準成分表(八訂)増補2023年(文部科学省)
令和6年国民健康・栄養調査報告(厚生労働省)
【関連記事】

夏でも高血圧対策を!血圧上昇のしくみを知ろう

塩分をとり過ぎない工夫で、無理なく美味しく塩分ケアしよう!

むくみの原因は「水分」より「塩分」

しなやかで若々しい血管を目指そう!動脈硬化を防ぐために今日からできること