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あなたは大丈夫?貧血予備軍にご注意
2022年7月22日

あなたは大丈夫?貧血予備軍にご注意

日常によくありがちな症状である、肩こり、冷え性、疲れやすい、早起きが苦手…。

体質だと思っていたこれらの症状、もしかして「貧血」が原因かもしれません。

初期は肩こりや疲れなどのよくある不調があらわれるので、気づかないまま進行して日常生活に支障が出る人も。

今回は、貧血に関するマメ知識、おすすめの栄養成分と食品などをご紹介します。



貧血とは?



貧血とは、血液中の赤血球に含まれる赤い色素(ヘモグロビン)の濃度が低下した状態をいいます。

貧血というと「血が少なくなる」というイメージを持つ人がいますが、血液そのものの量が変わるわけではなく、血液中の「赤血球」の“量”と“質”が低下している状態です。

貧血にはいくつか種類がありますが、最も多いのが、ヘモグロビンをつくる材料である鉄が不足することによって起こる「鉄欠乏性貧血」です。




血液中にあるヘモグロビンの重要な役割は、全身の細胞に酸素を運ぶことです。

ヘモグロビンは主に鉄を含む「ヘム」という色素とたんぱく質が結合してできており、これが酸素と結合して全身に運ばれていきます。

そのため体内でが不足すると、ヘモグロビンの量が減って、体のすみずみまで酸素が行き届かなくなります。

細胞が酸欠状態になると、新陳代謝がスムーズに行われなくなるため、疲れやすくなる、めまいや肩こり、爪が割れるなど、全身にさまざまな症状があらわれるのです。

また、貧血で顔色が悪くなるのも、赤い色素であるヘモグロビンが少なくなることが原因です。



20〜40代の女性は「貧血予備軍」



成人日本人(20〜49歳)が1日の食事から鉄を摂取する量は、

男性 7.5mg
女性 10.5mg(月経のない女性:6.5mg)


が推奨されています[1]


女性は毎月の生理による出血で体内の鉄を失っているため、誰しも貧血になる可能性があります。しかし、実際にとれている鉄の量は1日約6.4mgと、推奨量の6割ほどしかとれていません[2]。そのため、生理で失った分を補いきれず、慢性的に鉄が不足している女性が多いのです。

体内にある鉄のうち約70%は血液中にあり、残りの約30%は貯蔵鉄と呼ばれ、肝臓や骨髄などにストックされています。

貯蔵鉄はお金に例えるなら、いわば貯金のようなもの。生理のある女性は鉄不足から、この貯蔵鉄を切り崩している状態といえます。




年代別の血清フェリチン濃度の分布をみると、女性のうち20〜40代の約30%が基準値よりも低くなっています[3]

この状態が長く続くと、鉄欠乏性貧血の一歩手前である「潜在性鉄欠乏状態」、つまり貧血予備軍になる可能性が高いのです。

※血清フェリチン値は、医療機関で血液検査をする時に「追加でフェリチンの数値を調べて欲しいと」伝えると、調べることができます。



「潜在性鉄欠乏状態」の症状



貧血の症状としてよく知られているのはめまいですが、それ以外にも疲れや肩こりといったさまざまな不調があわられます。貯蔵鉄を切り崩している貧血予備軍(=潜在性鉄欠乏状態)の段階では、さほどひどい症状はあらわれないため見過ごしてしまいがち。

下の項目に当てはまる人は、注意が必要です。

□ 疲れやすい、動機がする
□ めまい、頭痛
□ むくみ
□ 氷を食べたくなる
□ 爪が割れる
□ 髪がパサつく
□ 肌がくすむ
□ 肩こり
□ 冷え
□ 朝起きられない
□ ダイエット中
□ 食生活の乱れ
□ 生理中
□ 婦人科の病気
□ 痔、胃炎など




鉄の種類



食品に含まれる鉄には、動物性食品に含まれる「ヘム鉄」と、植物性食品に含まれる「非ヘム鉄」の2種類があります。



ヘム鉄
赤身の肉や魚などの動物性食品に多く含まれる鉄を「ヘム鉄」と呼びます。体に吸収されやすいのが特徴で、吸収率は約30%と非ヘム鉄の約6倍。しかし肉類は腸内で腐敗を起こしやすく、腸が汚れる原因となるのでとり過ぎに気をつけましょう。

●ヘム鉄が豊富な食材
牛・豚などの赤身肉、レバー、まぐろ、かつお、あさり、まいわし、うるめいわし、かき、しじみ



非ヘム鉄
豆腐や納豆などの大豆製品、野菜、海藻類などに含まれる鉄は「非ヘム鉄」と呼ばれ、吸収率が約5%と低いですが、一般に日本人が食事から摂取する鉄の85%以上が吸収率の低い非ヘム鉄なのが現状です。吸収率を高めるためには、野菜や果物に豊富なビタミンCを一緒にとることがポイントです。

●非ヘム鉄が豊富な食材
大豆、豆腐、納豆、ひじき、小松菜、ほうれん草、春菊、菜の花、枝豆、とうもろこし、高野豆腐、いんげん豆、そば、切り干し大根



鉄の上手なとり方



(1) タンニンをとりすぎない
緑茶やコーヒー、紅茶に含まれるタンニンには、鉄の吸収を妨げる働きがあります。一日1〜2杯飲む程度なら特に問題はありませんが、貧血ぎみの人は飲みすぎに注意しましょう。食事の際にお茶を飲むときは、タンニンの少ない麦茶やほうじ茶、番茶、ハーブティーなどがおすすめです。




(2) お酒を控える
お酒の飲みすぎも、鉄の吸収を下げる原因になります。これは、アルコールを分解する過程で、鉄の吸収を助けるビタミンCや赤血球の代謝に関わるビタミンB群が、体内で消費されてしまうためです。さらに、アルコールを過剰に摂取することによって腸の働きが悪くなり、鉄の吸収の低下につながります。お酒を飲むときは適量を守ることが大切です。




(3) 胃酸の分泌を促す
鉄は胃酸が分泌されると吸収されやすくなります。柑橘類や酢、梅干しなどの酸っぱいものを食べたり、よく噛んで食べたりして胃酸の分泌を促すと、鉄の吸収率が高まることが期待できます。



貧血におすすめの栄養成分と食品



鉄の他にも、ヘモグロビンなどの材料になる「たんぱく質」、鉄の吸収を高める「ビタミンC」の摂取も大切です。また、「銅」は鉄を必要な場所に運ぶ役割をしています。さらに赤血球が作られるときには「葉酸(ビタミンB群の一種)」「ビタミンB12」などが必要になります。


たんぱく質
魚介類、大豆・大豆製品(納豆、豆腐、油揚げ など)

ビタミンC
キャベツ、大根、ブロッコリー、ピーマン、小松菜、れんこん、レモン、イチゴ、アセロラ、みかん類、じゃがいも、さつまいも、豆類


玄米、そば、押し麦、やまといも、さつまいも、大豆、納豆、かき、かに、するめ、えび

葉酸
ほうれん草、春菊、モロヘイヤ、ブロッコリー、枝豆、納豆、焼き海苔、大豆・大豆製品、玄米

ビタミンB12
しじみ、あさり、かき、うるめいわし、さんま、帆立貝、海苔、藻類、納豆





毎日の食事で、貧血をしっかり予防しましょう。


【参考】
[1] 日本人の食事摂取基準2020年版(八訂)[厚生労働省]
[2] 令和元年国民健康・栄養調査[厚生労働省]
[3] 平成21年国民健康・栄養調査報告[厚生労働省]
e-ヘルスネット [厚生労働省]
ケアごはん お悩み・目的別 食事法「貧血」


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