九大歯学部時代は野球部でセンターを守り、熊本城マラソンを5回完走したスポーツマンの野田一樹先生。「虫歯にも歯周病にもならず、歯並びも良い状態で、病気にすらならない。その予防のために来てくれる歯科クリニックにしたい」と語る野田先生の歩みと、歯科医療に賭ける熱い想いをお届けします。
先生の診療哲学は、歯の治療を超えて生涯にわたる真の健康と幸せを育むもの。赤ちゃん歯科診療とORT(オルト)矯正を柱とした診療で、地域の皆さんの健康を支えています。
当院の理念は「真の健康」の追求です。根本原因を考え、予防し、改善する原因療法を通じて、人々の人生をより豊かにすることを目的としています。
真の健康とは、虫歯にも歯周病にもならず、歯並びも正しく育ち、生涯を通じて健やかな口で過ごせる状態を指します。私たちが大切にしているのは、痛みや不調が起きてから対処するのではなく、原因を整える"原因療法"です。
保険診療を続ける中で、虫歯を削って詰めても再発を繰り返し、やがて抜歯に至る現実に疑問を抱くようになりました。原因が変わらなければ結果も変わらない―その日々の臨床の中で、「本当に患者さんを健康にできているのか」と自問するようになりました。
この疑問が、私の歯科医としての原点に立ち返るきっかけとなりました。従来の歯科医療は症状が出てから削る・詰める・被せるという対症療法が中心でした。しかし、それでは患者さんのQOL(生活の質)は根本的に向上しません。例えば虫歯の原因は、糖質の摂取だけでなく、唾液の質、口腔内の細菌バランス、咀嚼機能の低下、全身の免疫力や栄養状態にまで及んでいます。これらを総合的に捉え直すことで、真の健康を実現できると考えました。
転機は娘の誕生でした。「この子を健康で、歯並びよく育てたい」という想いから学びを始めたときに出会ったのが、助産師と連携して赤ちゃんの頃から診療を行っている愛知県常滑市の井上敬介先生です。
「真の健康とは、虫歯にも歯周病にもならず、歯並びも良い状態である」という言葉は井上先生から教えていただきました。この言葉をきっかけに、保険診療をこのまま続けていて本当に良いのか、自分の診療姿勢そのものを根本から見直す強い決意が生まれました。
娘の誕生を通じて、私は父親としても歯科医としても新たな視点を得ました。井上先生との出会いは、産科と歯科の連携の重要性を教えてくれました。助産師との連携により、お母さんへの授乳指導や早期介入が可能になり、当院の「赤ちゃん歯科」誕生につながりました。
赤ちゃん歯科は、生後間もない赤ちゃんから1歳半頃までを対象とした歯科診療です。通常の歯科検診は1歳6ヵ月から始まりますが、その頃にはすでに離乳期に入っているため遅すぎると考えています。当院では妊娠中に正しい知識を得て出産後2ヵ月以内の受診を推奨しています。この時期の介入が、その子の将来の健康に大きなメリットをもたらすと確信しています。
授乳期は、乳児の口腔機能の成長・発達において極めて重要な時期です。口腔機能は食事だけでなく、呼吸や音声の発達にも深く影響します。特に授乳は、口周りの筋肉を活発に使い、正しい噛み方や飲み込み方を学ぶ最初のステップです。できるだけ母乳育児を推奨しているのもこのためです。
舌の裏側には「舌小(ぜつしょうたい)」と呼ばれる、舌と口の底をつなぐ筋のような組織があります。舌小帯が強く張っていると、舌の動きが制限され、さまざまな影響が出ることがあります。母乳が吸いにくい、お母さんが乳腺炎になりやすい、発音に影響が出る、歯並び・噛み合わせの悪化、赤ちゃんの睡眠が浅く夜泣きが多いなど、舌小帯の影響は思った以上に大きいのです。早期に確認・対応することで、これらの問題が改善するケースも少なくありません。
また、歯並びが悪くなる原因のひとつに「口呼吸」があります。口呼吸の背景には鼻詰まりやアレルギーなどの慢性的な鼻の不調が多く、さらにその一因として食生活による腸内環境の乱れが関係しているケースも多く見られます。
ORT矯正とは、歯並びが悪くなった根本的な原因(Root)にアプローチして改善を目指す、主に小児を対象としたプログラムです。当院ではなるべく装置を使わず、原因から改善する「ORT矯正」を行っています。歯を無理に動かすのではなく、口や舌の使い方、嚥下・呼吸・睡眠・姿勢といった機能を整えることで、歯が並びやすい環境を育てる矯正です。歯並びだけでなく、将来の虫歯・歯周病予防まで見据えた診療を大切にしています。
プログラムは全体で1年3ヵ月。最初の3ヵ月は週1回、その後は月1回の通院です。正しい姿勢、舌の位置、呼吸、飲み込み方などの口腔機能改善を目標としています。これらの改善には、お子さん自身の理解と積極的な取り組みが不可欠です。当院では、お子さんにもわかりやすく治療内容を説明し、モチベーションを保てるよう工夫しています。
ORT矯正は成長期の発育を利用して口腔機能を整えるため、治療後に元の状態に戻ってしまう「後戻り」が起こりにくいのが特徴です。痛くない・抜かない・削らない矯正として、お子さんの健やかな発育を支えます。
当院では、妊婦さんやORT矯正に通うご家族に食の重要性をお伝えしています。特に玄米酵素は、腸内細菌の餌となる食物繊維や発酵によって生まれるビタミン類が豊富で、腸内環境を整える有効な手段として活用しています。
また、歯科医院としては珍しく、2024年に社員食堂を設置し、スタッフの健康づくりにも力を入れています。主食は玄米、みそ汁に副菜2品の「一汁二菜」が基本、個人負担は1食200円です。福利厚生としての提供なので利益は生みませんが、スタッフの健康が最大の利益と考えて続けています。実際にスタッフ自身が玄米食を実践して、お通じの良さを実感していますので、患者さんへの食生活指導で行うアドバイスにも説得力が増しています。
野田歯科口腔クリニックは、地域に根ざした「予防歯科医院」として、赤ちゃんからご家族まで、皆さんの未来の健康を支えていきたいと考えています。
私たちの願いは、皆さんが痛みのない人生を送り、家族で笑顔を分かち合える未来です。そんな未来を一緒に創るパートナーとして、一人でも多くの方に「真の健康」をお届けしたいと願っています。
野田一樹(のだかずき)
2012年3月 九州大学歯学部 卒業
2013年3月 九州大学病院臨床研修(協力型) 修了
2013年3月 伊東歯科口腔病院 勤務
2019年4月 伊東歯科口腔病院 医局長兼第二総合診療科長
2020年11月 野田歯科口腔クリニック 開院
2024年6月 野田歯科食堂 設立
【所属学会】日本口腔外科学会、日本歯周病学会、国際歯周内科学研究会、赤ちゃん歯科ネットワーク、日本小児口腔発達学会、日本離乳食小児食育学会、日本口育協会、NPO法人母子フィジカルサポート研究会
【資格】日本口腔外科学会認定医、日本歯周病学会認定医、個性心理學認定講師、日本離乳食小児食育学会食育認定医モグトレーナー認定講師、口腔機能支援士、口育士、口栄士、オーソモレキュラー・ニュートリション・プロフェッショナル(ONP)