心斎橋筋の玄米酵素大阪支社から北へ1km。御堂筋線本町駅から徒歩5分のビジネス街に、白岩恭一、和香苗夫妻のクリニックがあります。
オフィスビルの4階には白岩恭一院長の精神科・心療内科「ラエティス クリニック本町」、2階には白岩和香苗院長の婦人科「ルティランスクリニック」が入っています。「ラエティス」は、ラテン語で「幸せ」「楽しい」「カラフル」を意味する言葉。クリニック名にしたのは患者さんの人生を、幸せに、カラフルに、より良いものにするお手伝いをしたいから。
「長期の通院を必要とせず、“クリニックを卒業できる医療”を目指す」と熱く語るお二人は、大のタイガースファン。白岩先生ご夫妻に話を伺いました。
今の精神医療は薬による治療が主流です。電気けいれん療法や心理療法など薬以外の治療方法もありますが、どれも根本的な解決にはならないもの。栄養療法に出会うまでは、そのあたりに問題意識を強く抱いていました。
もちろん、従来の精神医療を完全否定するわけではありません。とくに急性期治療に関しては入院や投薬治療によって症状を改善に向かわせることは必要だと考えています。
問題は、治療を終えた患者さんの多くが慢性化しやすい状態になっていることや、普通に日常生活は送れるけれど軽度の精神的な不調で慢性的に悩んでいる方が多く存在することです。
薬を服用するといったん症状は落ち着いたように見えるものの、必ずしも根治したわけではありません。薬をやめると再発するケースも多く、薬が生活の一部になっている方の中には「薬さえあれば安定する」と捉える方がいますが、病気が根本から治ったわけではありません。だからこそ、薬に頼らない“本当の意味での治癒”を目指しているわけですが、精神科医の中には「薬を飲み続けることで症状を抑え、普通の生活を送れるようにする」ことを治療のゴールとする捉え方が広く存在しています。結局、調子を崩す度に薬が増えて、軽快したから薬を減らし、再発したらまた薬が増えて…を繰り返す状態はやはり問題で、これは精神医療に限らず、内科医療など他の診療科にもいえるのではないでしょうか。
栄養療法に興味を持ったのは、精神科の治療をしていて、閉塞感が強かったからです。なかなか良くならない人が多い、慢性化する。何より治療のゴールが見えないというのが1番の悩みでした。何かそれを打開できるものはないのかと探していたとき、栄養療法に出会いました。患者さんの体の中で起こっていることを血液検査の結果からある程度可視化できると知って大きな衝撃を受けたのがきっかけでした。
栄養療法に行き着くまでは、「どの薬を処方しようか」というのが主な選択だったのですが、今までと違う視点や、違うアプローチで症状を改善できる可能性がある。それによって、治療における“選択肢が増える”という、とても大きな気づきを得ました。
もともと心療内科と婦人科は相性が良いだろうと予測していたので、いずれは妻と二人で一緒に開業できたら…という構想はずっと持っていました。それが理想の物件との出会いやコロナ禍などさまざまな状況が重なり、私は心療内科、妻が婦人科での開業に至りました。
「心療内科と婦人科は相性が良い」と考えたのは、女性にとって精神症状と婦人科系の悩みには重なり合う部分が多くあると思ったからです。「心療内科と婦人科の複合診療」の必要性についてはっきりと確信したのは栄養療法との出会いがあったからでした。
玄米酵素は、鉄・亜鉛・マグネシウムなど特定の栄養素を補うためのサプリメントではありません。
メンタルが不安定な患者さんは、糖尿病と診断されていなくても、9割近くに血糖コントロールの乱れが見られます。血糖コントロールがうまくいかなければ、血糖調節障害や低血糖、血糖値の乱高下を招き、自律神経が乱れてしまいます。それが情緒不安定や不安、パニック、不眠といった様々な症状につながるのです。
こうした患者さんには食事指導が不可欠であり、その際、栄養素のバランスが良く食物繊維が豊富な発酵食品、玄米酵素は大きな助けとなっています。
女性であれば多かれ少なかれ感じたことのある症状に、頭痛や不安定な精神状態を伴うPMS(※)があります。今までさまざまな患者さんを診てきましたが、心療内科と重なり合う婦人科の症状としてはこれが一番ですね。
※PMS…Premenstrual Syndrome(月経前症候群)月経の前に現れるこころとからだの不調
PMSや月経不順の治療は薬物療法が主流なのですが、日々治療を行う中で「本当の解決には至っていない」と感じることがありました。私は、いろいろな治療の選択肢がある中で「ホルモン製剤・漢方・栄養療法」の3つを治療の柱としています。もちろん薬が必要なケースもあるのですが、ただ症状だけにフォーカスして薬に頼った治療をしてしまうと、根本原因にアプローチできず、結局解決には至らない。だから、本当に薬が必要な方だけに最小限の量を処方し、栄養療法も並行して行っています。
婦人科の患者さんの中には不調は体質からくるものと、我慢してしまう女性が多くいます。そういう方にも薬物療法以外に栄養療法などさまざまな選択肢がある、さらにいえば日常生活の改善だけでも少しは楽になるかもしれないということを知ってもらいたいですね。当院では心療内科と婦人科の両方で治療を受けている方もたくさんいらっしゃいます。PMSや更年期による諸症状に悩んでいる方の中には精神的な悩みや睡眠の悩みを抱えている方も多いので、そのような場合には恭一院長に引き継いでいます。
ラエティスクリニック開業当初、私は栄養療法についてあまり知らなかったので、教えてもらうところから始まりました。最初は「おそらく良い治療法なんだろうけど本当かな?」と疑ったりもしました。知識がないから判断が難しいと考え、半年くらい自分でサプリを飲み、食事記録をつけて治療効果を実験しました。結果が出なかったら婦人科での栄養療法は止めようと考えていたのですが、風邪を引きにくくなったり、鼻炎が改善したりなど、体の調子も良くなり、ちゃんと結果に結びついたことで、栄養療法の効果に確信が持てました。
以前、母子で受診された患者さんで印象に残っている方がいらっしゃいます。お母さまから「娘が他院でうつ病と診断されたのですが、私は娘がうつ病とは思えない」と相談がありました。そこで、栄養療法と漢方で治療したところ、それだけで症状が改善したのです。その後、お母さまもご自身の不調で受診されたのですが、婦人科療法と栄養療法、漢方の3つを掛け合わせて治療したところ、見違えるように元気になられて。「このクリニックに来て良かった、うれしくて親子で泣きました」とうれしい言葉をいただきました。
日本には心療内科×婦人科の複合診療クリニックはまだ少ないと思います。男性患者さんもいらっしゃいますが、やはり女性を診ることが多いので「あらゆる世代の女性が健やかに暮らせるお手伝いをしたい」というのが一番の想いです。
「You are what you eat」
人の体は自らが食べたものでできているという格言があります。この考え方を、私たち日本人になじみ深い言葉に置き換えるなら、中国の古い知恵である「医食同源」が最も適切でしょう。日々の食事そのものが、健康を保つための源であるという教えです。
これからも私たちは「食べたもの」すなわち栄養が体を作っているという基本を大切に、栄養療法を日々の診療に生かしたいと思っています。
患者さんの人生を、幸せに、カラフルに、より良いものにするお手伝いをするために。
白岩 恭一(しろいわ きょういち)
順天堂大学医学部、神戸大学大学院医学研究科卒業。
2020年、心療内科×婦人科の複合クリニック「ラエティスクリニック本町」を開院。
(資格)医学博士、精神保健指定医、日本精神神経学会専門医・指導医、臨床分子栄養医学研究会認定指導医、日本キレーション協会認定医
(所属学会)日本精神神経学会、日本臨床栄養学会、日本抗加齢医学会、日本オーソモレキュラー医学会、臨床分子栄養医学研究会、日本キレーション協会、臨床水素治療研究会
白岩 和香苗(しろいわ わかな)
岩手医科大学医学部、順天堂大学大学院卒業。2020年「ラエティスクリニック本町」副院長。
2026年1月「ルティランスクリニック」を開院。
(資格)医学博士、日本産科婦人科学会専門医 臨床分子栄養医学研究会認定医
(所属学会)日本産科婦人科学会、日本臨床栄養学会、日本オーソモレキュラー医学会、日本抗加齢医学会、日本東洋医学会