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食改善を推奨する医師・医療従事者へのインタビュー

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“おまかせ医療”から、あなたが主役の“主体的医療”へ

札幌いそべ頭痛・もの忘れクリニック 院長
磯部 千明 先生

“おまかせ医療”から、あなたが主役の“主体的医療”へ

磯部千明先生は、脳神経内科が専門の「頭痛」と「もの忘れ」診療のエキスパート。2023年2月にリニューアルした院内は、認知症支援のシンボルカラー、オレンジが随所に使われ、明るく爽やかな雰囲気だ。西洋医学を基本に東洋医学や栄養素療法も取り入れ、トータルケアの視点で患者の幸せな人生のための健康増進に努めている。
人を治すのは薬ではなくて人、生活、栄養、考え方、行動。患者の自己治癒力を上げて健康増進をサポートする院長の磯部千明先生に伺った。

脳神経内科を選んだのは

脳神経内科は、以前は神経内科と呼ばれていた分野です。精神科や神経科または心療内科とは異なります。脳や神経系は、何らかの原因によって障害が起きると、頭痛やもの忘れ、めまい、内臓不具合などの症状が出ます。「年のせいだから」「精神的なものだろう」と諦めている人が多いのですが、これは脳神経系の異常であることが、多々あります。当クリニックは、日本で唯一の”頭痛・もの忘れ“をクリニック名とする脳神経内科クリニックです。

小さい頃は特急電車の運転手になりたかったのですが、目が悪くて諦めました。医師を目指したのは、母が札幌医大で子宮筋腫の手術を受けて楽になった姿を見たことがきっかけの1つです。母は足が痺れ、背中の痛みもひどくて、なかなか原因がわからず苦しんでいたのですが、札幌医大で子宮筋腫が見つかって、手術、その苦痛から解放されました。これまで全身麻酔の手術を4回もやっていますが、今84歳で元気です。やっぱり母は医療に救ってもらっているんです。

もう一つは浪人時代。大学附属病院を訪問する機会があって、そこで偶然、難しい病状だった人が元気に退院する姿と、患者さんが医療スタッフに何度もお礼を言っている場面に出会いました。それが医師をめざす決定打になりました。医師とは人を救うことができ、感謝される仕事なのだということを目の当たりにしたのです。その大きなやりがいのある仕事に就くと決めました。




脳神経内科に導いてくれた、メディカルハンマー(打診器)

手術を受けた人が回復する姿が印象に残っていましたので、当初は手術をする外科に憧れていましたが、鼻血を見ただけで倒れるくらいだったので難しいとも思っていました。

5年生の時でしたが、私自身が胃腸炎とウイルス性の風邪をひいて免疫疾患のギラン・バレー症候群にかかるという経験をしたのです。単身生活でしたので、今考えると食生活は最悪、生活のリズムも何もかも乱れていて、一時期は立って歩くのがやっと、家では這って歩いていたほどでした。

大学の脳神経内科の講座の先生に相談して診てもらったのですが、病名がつくまでは不安で仕方なかったです。その先生はメディカルハンマー(打診器)1本でギラン・バレー症候群と診断しました。病名がわかり、これまでの絶望的な状態からの改善が見込めることがわかって安心しました。脳神経内科の仕事が、基本的にはメディカルハンマー1本で診断が可能だなんて、まるでシャーロックホームズみたいでその姿にほれこみました。たとえ離れ小島でも、自分の診断力を発揮できると思ったことと、系統立った脳科学性や学問性に惹かれてこの分野に進むことを決めました。




頭痛外来

頭痛の外来は7〜8割は女性です。どの季節でも多くの患者さんが訪れますが、低気圧や台風の時は、頭痛の当日受診が増えます。また、社会的背景を反映してか、パソコンなどでの作業を長時間続けることとの関連性が考えられる症状を訴える方も多いですね。

頭痛の診断は、まず光を見て残像が残るかどうか、テレビがうるさいと感じるか、また、漢方の診断手法ですが、立ち上がったとき脈が沈むか。それから舌を診ます。舌や皮膚を診ると腸の不調がわかります。胃の炎症もわかります。鉄分やビタミンB12が足りないのもわかります。いろんな患者さんを見ていて頭痛の人は腸の調子が悪く、鼻が詰まってる人が多いですね。患者さんの感じ方と、体温や腸から起きてくる症状のバランスが崩れているところを突き止めます。それらとMRIや脳波、RRインターバル、採血などを組み合わせて理想の体調と今の不調のギャップを埋める最善の提案をしています。

不登校のお子さんは、片頭痛や脳腸相関、脳のエネルギー不足、自己概念(※)が低いことが影響している場合があります。その場合、小児頭痛の藤田先生から学んだ自己概念を上げることをします。不登校は、起き上がれない人と、起きられない人と、起き上がりたくない人がいるので、そういうことの診断をしっかりした上で自己概念を上げると結果がいいですね。お母さんには幼虫→さなぎ→成虫の話をして、今お子さんはさなぎの状態で充電の時期、ここから羽ばたくよと。片頭痛の人たちは天才脳だから、東大に受かる子もいるし、芸能人にもなる人も多い。勉強しようがしまいが、「あなたはあなたのままで素晴らしい」と言い続けてと言っています。

※自己概念
心理学用語で、自分がどんな人間かについて抱いている考え。





もの忘れは、忘れる力がついたこと。あとは、たましいだけは年を取らないと言ってあげればいい。

もの忘れ外来には高齢の方だけでなく、自分の両親が認知症になったことが心配で30歳くらいで来られる方もいます。私の使命は2015年に始まった国の「新オレンジプラン(認知症施策推進総合戦略)」に基づき、高齢者の病気を治すだけでなく、積み上げた地域の人間関係において幸せな人生を全うできるよう医療者として貢献することです。

当クリニックでは、札幌市の「認知症カフェ」制度の認証を受け、「認知症オレンジカフェ」を当クリニックのセミナールームを提供して2ヵ月に1回程度開催しています。こちらには認知症患者さんとその家族だけでなく、どなたでも参加できますので、さまざまな立場の方が対話・交流できる機会となっています。



人間の体調不良や異常行動は不幸感から起きると思っています。心身ともに健康で豊かであること、愛に包まれて生きること、人に管理されることがないこと、人生は何事も楽しいと心から思い込むこと。だから、もの忘れが出たとしても、「老人力って冴えてる。たましいは年取らない。」って言ってあげればいいんです。


スタッフや患者さんの畑で採れた野菜や果物、お花などを「いそべマルシェ」で販売しています。




脳腸相関 −脳と腸は神経でつながっている−

数千年もの間、飢餓状態だった人類が餓死しなくなったのは、わずか200年ほどのことです。現代社会は産業革命以降、急激な社会構造の変化によって過剰なエネルギー時代を迎えています。私は様々な病気の根本は急激な社会構造の変化による腸と脳の不調にあると考えています。腸と脳は神経によってつながり密接に連携しています。頭痛を薬だけで抑えることはできません。根っこを治さなければ健康にはなりません。したがって、日常食生活の入り口と出口、腸の不良状態を解決することが、頭痛を治すことにつながる根本と考え、個人的に”腸能力“と呼んでいます。

栄養療法と言うと糖尿病とか高血圧の食生活指導となるので、当クリニックでは栄養素療法と呼んでいます。栄養素を取り入れることを考えて、管理栄養士が患者さんに選択肢を提示します。病気とか異常ではないにしても心身の健康のため、最適な腸のためにプラスαの栄養素を考えるという視点です。管理栄養士は2人体制になりました。私自身の食生活経験からも、医食同源と信じています。




地域社会のために

栄南中学校の学校医をしていますが、ちょっと聴診器を当てて心臓の音を聞くだけじゃなく、舌や皮膚を診て生徒の活力や健康に関する診断など、一声かけるようにしています。今年度からは学校医としてのメッセージを給食時間に流そうと、校長先生と打ち合わせました。その時間に自己概念を上げる話をします。

私の高校の後輩が札幌旭丘高校の養護の教師で、頭痛で悩んでいる高校生向けに諦めない保健室での対処法を伝えたこともあります。日の丸地区や伏古地区の町内会に呼ばれた時は、認知症はもう怖くない、認知症になっても安心して過ごせる技術についてのメッセージが好評でした。




クリニックの特徴や強み

当クリニックでは、小さなクリニックでありながら1.5テスラMRI装置を備え、多くの頭痛の原因や認知症、パーキンソン病などの早期発見に努めています。もの忘れの症状に代表される認知症は、一説には家族に連れられて受診し た時には、9割が中等度に進行しているともいわれています。臭いがわかりづらくなった、寝言を言ったり、歯の本数が減る、難聴なども認知症の始まりの症状にあるとされます。大好きなことをちょっと面倒くさがる、歩くのが少し遅くなった、そういうときに来てもらえば、プレフレイルの疑いで認知症予備軍に入る前からの事前予防をめざせるケースもあるのです。

また、もの忘れの症状のすべてがアルツハイマー型認知症というわけではなく、部分てんかんや睡眠薬が原因だったり、睡眠時無呼吸症候群が関係していることもあります。当クリニックでは、西洋医学と東洋医学および栄養医学を融合し、皆さんの健康増進をサポートしています。




チームで、本気で、患者さんの人生をサポートします

当クリニックは、健康増進医療がキーワードです。頭痛・もの忘れ・耳鳴り・肩こり・痛み・ふるえ・しびれ・不眠症・臭いがわからない・顔面神経麻痺など、多くの方々が人生のどこかで少なからず体験するであろう症状に対し、効果的な診療・検査および情報提供をしています。そして、脳の領域を幅広く診療している医師、自らも片頭痛のあるスタッフ、介護経験のあるスタッフ、臨床心理士、管理栄養士など、全員がコンサルティングチームとなってサポートします。

また、「年のせいだから様子を見てください」ということは絶対に言わない方針ですので、どうしても幸せな健康を実現したい患者さんに、効果的な考え方や行動の選択が出来る技術を高めるご提案もしています。もう無理だと諦めていたことを、発想の転換で、患者さんと縁ある人を豊かにするために、より良い価値ある情報を提供させていただきます。






今後の展望

くり返す頭痛が原因で不登校になったり、能力を発揮できず生産性が下がる片頭痛は人生疾患です。頭痛持ちの頭痛は痛み止めでさらに悪化する場合もあるということを知っていただきたいのです。

また、認知症は長生きの勲章だ(長寿と認知症はセット)という発想を持ち、安心して認知症になって、日本の社会モデルで全ての人が目的を持って暮らせるような社会構造となることが、あるべき姿だと考えています。当クリニックがその起爆剤になります。

Profile

磯部 千明(いそべちあき)
1969年北海道生まれ。岩手医科大学大学院卒業(医学博士)、岩手医科大学医学部付属病院 神経内科 助手を経て、盛岡市立病院 神経内科医長、千歳第一病院 神経内科部長、札幌東徳洲会病院 脳神経内科 部長を歴任。2016年札幌いそべ頭痛・もの忘れクリニック開業。
日本神経学会 脳神経内科専門医・指導医、日本頭痛学会 頭痛 専門医・指導医、日本認知症学会 認知症 専門医・指導医。


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