玄米酵素

食改善を推奨する医師・医療従事者へのインタビュー

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「予防医療」の時代へ。
知識と情報を得た人が、自らの健康を守れる。

一般社団法人篠浦塾 理事長
篠浦 伸禎 先生

「予防医療」の時代へ。
知識と情報を得た人が、自らの健康を守れる。

患者さんの予後を考え、脳の覚醒下(意識のある状態での)手術を行う篠浦伸禎先生。その実績は世界のトップクラス。西洋医療の最前線に身を置く篠浦先生だが、食事療法や代替療法の併用も積極的に推奨している。(株)玄米酵素の企業理念や商品を高く評価してくださり、先生主催の勉強会の会場として(株)玄米酵素東京支社の セミナールームや自然食レストランも利用されている。その篠浦先生と玄米酵素・鹿内社長との初の対談がリモートで実現した。医療や食、そして新型コロナなどについて語り合っていただいた。(はい!元氣らいふ2021年12月号より)

西洋医療だけでは患者さんの病状がよくならない

鹿内 先生は脳外科の専門医でいらっしゃいますが、食生活の指導もされていると伺いました。これはどういうお考えで始められたのですか。
篠浦 30年以上前に、くも膜下出血で術後に髄膜炎になった患者さんがいたのですが、抗生物質を投与しても一向によくならなかった。その時同僚が「肉を食べて、タンパク質をとると治りますよ」と。そこで食べてもらったら本当に治ったのです。それをきっかけに食事について研究をしてきました。患者さんから教えてもらった「ニンニク油」も、実際に作って飲んでみたら、とても体調がよくなり、本を出すなど紹介させてもらっています。アメリカの「栄養学のアインシュタイン」と呼ばれている、コリン・キャンベルが書いた『葬られた「第二のマクガバン報告」』という本も読みました。学問的エビデンスレベルの高い本ですが、結論はシンプルで"植物ベースの全粒のもの"がよいとのこと。つまり玄米菜食です。膠芽腫(悪性腫瘍)の患者さんに玄米やいろいろなスーパーフードをすすめると、通常1年ほどの余命が3〜4年延命できたケースもあります。僕も食事を玄米菜食に変えたら、2、3年で体重が15kgほど落ちました。花粉症もなくなって体調がよくなった。食事はとても大事だと思います。
鹿内 脳外科の第一線の先生が、食事での体験談を語られるのは我々にとって衝撃です。先生が体によいとお考えの玄米菜食は、具体的にはどんな食事ですか。
篠浦 いくつか原則がありますが、野菜は生野菜か煮野菜、または蒸すくらいで。乳製品や砂糖、小麦粉は原則嗜好程度に。高齢者の場合は、肉をとった方がいいと思いますが、控えめがいいでしょうね。基本は日本食です。発酵食品や海藻類、きのこ類にはいろいろな栄養素があります。それと改善すべきは食べ過ぎです。僕は12時間くらい食べない時間を作る「半日断食」を週に3日ほどやると体調がだいぶよくなります。スーパーフードや玄米酵素の併用もおすすめです。ただ、極端な食事制限やマクロビなどは、やり過ぎはよくないので、自分の体調を感じながら緩めることも必要です。

生活習慣病の克服には補完代替医療の併用が必要

篠浦 僕は脳腫瘍が専門ですが、悪性の場合はなかなか治らないし、抗がん剤を使っても2ヵ月くらいしか延命できない。それが食事療法をやりだしてから手応えがでてきました。ですから、がんをはじめとする生活習慣病の克服には、西洋医療だけでなく、食事療法などの補完代替医療を併用することが必要だと思います。
鹿内 私はよく川上、川下という表現をするのですが、川下は出た結果に対処すること。すなわち、西洋医療が中心となって行うことで、川上、つまり元を正さないと解決しないということですね。
篠浦 おっしゃる通りです。末期の悪性脳腫瘍で手術される方も結構いるわけですが、手術をしても数ヵ月しかもたないことが多い。上流にアプローチしないと意味がないというのは感じますね。ですから、僕の基本スタンスは予防医療です。入院となった場合でも、西洋医療と併用して補完代替医療を徹底してやる。つまり、統合医療を行っていく。
鹿内 中国から来た言葉に「薬食同源」という言葉があります。日本では「医食同源」という言葉で根づいていますが、私は言葉だけが一人歩きしていて、活動はまだ足りないと思っています。玄米酵素を立ち上げた岩崎輝明会長は、50年前の創業当時からそういうことを提言していました。当時は、篠浦先生のような医師の方は少なく、西洋医療が中心だったわけです。ところが、20〜30年くらい前頃、西洋医療の限界を感じ我々のお客様の中には、病院の治療は受けず、食事療法や代替医療で治すといった極端な方もおられました。しかし、先生がおっしゃるように両方必要ですよね。予防医療を基本にして統合医療でやっていくという考え方はまさに腑に落ちます。

新型コロナとは共生の時代へ、大切なのは免疫力を上げること

篠浦 新型コロナで大事なのは予防医療です。基本的に重症化するのは生活習慣病をもつ人なので、それを治せば新型コロナは怖くありまん。コロナを敵だと思って予防しても、感染は避けられないので、重症化を防げばいい。そのためには免疫力を上げるしかないと思います。実はこの秋、脳から解析したコロナに関する本を出版します。何が真実かというと、今のコロナ対策はいわゆる二元論で、自分は他人とは違うという左脳的な発想。そうではなくて、全体が一つでコロナと共生していくという右脳的な一元論の発想でなければ解決できないと思います。コロナは変異していくので、ワクチンを作っても追いつかない。ただラッキーなことに、毒性が低いので免疫力を上げればそれほど大事には至らない。つまり、感染を防ぐというより、重症化させないようにするという発想が今回のウイルスでは正解だと思います。
鹿内 それは、コロナとの共生という考え方になるわけですね。
篠浦 共生です。日本人は昔からウイルスと共生していて、天然痘もそうですし、腸内細菌も世界で一番多い。ウイルスにとって、宿主が死ぬのは困るわけで、宿主が元気で感染を広げてくれるのが都合がいい。免疫力を上げることはウイルスと利害が一致するのです。それをしない限り、新型コロナは解決できないと思います。
鹿内 先生が先ほどおっしゃった右脳的なことというのは、医学的なこともあるでしょうが、私たちの身近な言葉で言うと、よく学んで人間は一人ではないと認識するといった「人間力を高めていく」という日本的な感覚ですよね。
篠浦 日本精神です。日本精神とは、日本民族がさまざまな苦難を乗り越えて子孫に伝えてきた精神です。日本では地震や津波などの自然災害がありますが、例えばそれをどう乗り越えていくか。災害と対峙するには、合理的に行動しないといけないので左脳を使います。しかし、普段は人間関係を作って平和に暮らしている。これは右脳主体です。脳でいいますと、側頭葉内側にある扁桃体が重要で、攻撃的になったり逃避的になったりします。そこをしっかり帯状回や視床下部がコントロールすることによって、人間らしく生きていける。つまり、「今だけ、金だけ、自分だけ」といった発想ではなく、「自分のことは考えずに、常に公のために生きる」。そういう教育をしてきた典型が、吉田松陰であり、日本の武士道です。僕は脳の診断テストをやっていますが、実は日本精神があるかどうかを見ています。驚くべきことに、日精神がある、すなわち脳の使い方のいい人はやっぱり幸せに生きています。ところが、点数が悪い人はがんになるなど、若くして病気になっています。ここまで違うかと恐ろしくなるくらい違います。
鹿内 先生の患者さんで「人間学(公の精神)」を学んでいらした方が、術後驚くほど好転したケースがあるとお聞きしましたが...
篠浦 元々は陸軍士官学校にいらして、若い頃から論語などの人間学を学び実行されていた方です。30年ほど前に、頭部外傷により脳の左半球の大半を損傷し失語症なったのですが、その後どんどん症状が改善し、80代半ばになってもお元気でほぼ自立していました。人間学は脳の多くの部位を使えと説いていて、一般に脳のピークは若い時ですが、人間学を実践することで、年をとるほどに脳機能はよくなっていきます。

医療情報を積極的に発信、情報の有無が生死を分ける

鹿内 先生は篠浦塾を立ち上げ、予防医療の勉強会や医療相談会といった活動もされていますが、今後についてはどのようなことをお考えですか。
篠浦 今、セミナーをたくさん開催していますが、やはり目的は統合医療の推進です。予防医療が基本ですが、病気になる方は当然いるので、西洋医療と同時に、病院の中で補完代替医療をやるという必要があります。そうすると病気がよくなる可能性は上がります。補完代替医療については、医師の99%は知識がありません。ですから、医師に伝えずにやる。そういう情報発信を今やっていて、特に女性を通して家族に広げてもらえれば、医療はよくなっていくと思っています。
鹿内 医師の99%はそういうことは知らないのですか。
篠浦 西洋医療と補完代替医療とは接点がないので、ほぼ知らないです。患者さんが、「(代替医療を)やっていいですか?」と聞くと、まず禁止されます。知らないから、「どうぞ」と言うわけにはいかないのです。ですから、患者さんは賢くなって、自分の体は自分で責任をもって守っていく。それには情報をもっていないとできません。予防医療の大切さを勉強する必要があるということです。
鹿内 玄米酵素の愛用者の皆さんが、医師に「玄米酵素」を食べているという話をすると、「健康食品はとらないように」と言われることがよくありました。ところが最近は「玄米なら、いいですね」と言う先生が増えてきました。
篠浦 食事療法や補完代替医療は、医学部では習いませんから、医師に言う必要はないと思います。これからは医師任せではなく、自分で医療情報を得て、医師をうまく利用して健康を守っていく時代です。西洋医療をやりながら、補完代替医療をやってくれる病院・医師を選んで、そこに患者さんが集中していけば、医師も変わらざるをえません。情報さえあれば、日本ではどこの病院に行ってもいい。医療情報というのは非常に大事で、情報の有無が生死を分けると言っていいと思います。
鹿内 今、「玄米酵素」の愛用者の方は10万人ほどいらっしゃいますが、そういう方々に先生のようなお考えや情報を知ってほしいですね。先生のもつお知恵を知る方が増えれば増えるほど、世の中はよくなっていくわけですから。
篠浦 医療をよくするにはそういう方向しかないと思います。今、コロナは西洋医療では解決できないということがわかる人にはわかってきている。結局は免疫力を上げればいいので、やはり大事なのは予防医療です。僕の勉強会にも多くの人が集まってきています。そういう流れになってきていると思います。
鹿内 コロナはとんでもなく嫌な出来事ではありますが、時代をいい方向に変えていくエンジン的なものと、ポジティブに捉えることもできますね。
篠浦 間違いなくそうだと思います。コロナ禍でもプラスの方向に考える人しか生き残らない。考えを切り替えられる人がこれからの世の中を作っていく人たちだと思います。

Profile

篠浦 伸禎(しのうら のぶさだ)
1958年愛媛県生まれ。東京大学 医学部卒業後、富士脳障害研究所、東京大学医学部附属病院、茨城県立中央病院、都立荏原病院、国立国際医療センターにて脳神経外科医師として勤務。シンシナティ大学分子生物学部に留学。帰国後、国立国際医療センターなどで脳神経外科医として勤務。2000年より 都立駒込病院脳神経外科医長として活躍し、2009年より同病院脳神経外科部長。同病院を2023年3月退職し、同年4月、(一社)篠浦塾理事長に就任。脳の覚醒下手術ではトップクラスの実績を誇る。
主な著書に『脳は「論語」が好きだった』『脳にいい5つの習慣』『論語脳と算盤脳』など多数。